建設マネジメントとは具体的にどのようなことを実施していくこと?
建設マネジメントとは、建設プロジェクトに関係する業務を管理することを総称した言葉です。
大きく分けると、プロジェクトマネジメント(PM)とコンストラクションマネジメント(CM)に分類されますが、主にコスト・工程・品質・情報・リスクなどの観点から実施していくことが必要といえます。
具体的にどのようなことを行うのか、その内容をご説明します。
プロジェクトマネジメントとコンストラクションマネジメントの違い
プロジェクトマネジメント(PM)とは建設マネジメントの1つであり、立案された構想・企画・計画・設計・工事発注・施工・引き渡しなどそれぞれの段階において、コスト・スケジュール・品質・情報などの観点から関係者を調整・管理していくことです。
これに対しコンストラクションマネジメント(CM)は、企画から引き渡しまでのそれぞれの段階でコスト・スケジュール・品質・情報・リスクなどの管理を実施し、品質改善やコスト削減を実現していくことといえます。
コンストラクションマネジメント(CM)では、計画段階から設計や施工などに関する技術的な側面から、専門知識やノウハウなどを活用しプロジェクト完了までマネジメントしていきます。
対するプロジェクトマネジメント(PM)では構想・企画などプロジェクトの川上といえる段階から全体を包括的に調整・管理していくことが特徴といえます。
建設マネジメントがより求められる理由
建設業界では労働力不足に悩まされていますが、これは長期的に見ても続くと予想されています。
さらに労働力が減少する可能性が高く、働き方改革の推進などの影響で建設プロジェクトを取り巻く環境が変化している状況です。
このまま労働力が継続し減少していけば、慢性的な人手不足へ陥ることとなります。それに加え、働き方改革による影響が及べば、工期が延長してしまい現場管理コストなどが増え、さらに労務賃金上昇による労務コスト増などが起きる可能性も出てきます。
発注者・設計者・施工者とは違った立場から、工事の工程・品質・コストなどを管理・精査していくことが必要となるため、建設マネジメントがより求められる時代に突入したと考えられるでしょう。
マネジメント業務を専門とする企業の増加
これまでは建設プロジェクトのマネジメント業務は、発注者や設計者、施工者などが行っていました。
しかし最近では建設マネジメントのニーズが高まったため、それぞれのマネジメント業務を専門とするコンサルティング会社などが増えており、設計者や施工者とは独立した立場から発注者に代わりマネジメントを展開しているようです。