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建設工事現場で使用されているゴンドラの種類と特徴

2021.09.22
分類:その他
建設工事現場で使用されるゴンドラ (足場)とは、 ・吊り足場 ・昇降装置 ・安全装置 などで構成されている昇降装置で昇降する機械足場のことです。 可搬型と常設型という種類がありますが、それぞれどのような特徴があるのかご説明します。

可搬型ゴンドラの特徴

吊元を屋上に一時的に設置し、そこからワイヤロープを吊り下げて作業床に設置した巻上機に通し、昇降はワイヤロープを掴みながら行うゴンドラです。 一般的に仮設ゴンドラと呼ばれるゴンドラを指しています。

常設型ゴンドラの特徴

屋上に設置した巻上機からワイヤロープを巻き取るタイプのゴンドラで、高層建築物などで行う窓拭きや外壁の点検・補修などで使われています。 ビルを建設する当初から屋上に設置されることが多く、設置されたレールにそって横に移動するタイプのものが多く見られます。 一般的には本設ゴンドラと呼ばれているタイプのゴンドラです。

従来の足場と比べたときの違い

従来の足場と比べた場合には、 ・高さのある建物でも補強不要 ・防犯性に優れている ・楽に昇降できる ・設置するときの手間を軽減できる ・景観を損なわない 風に弱い部分が弱点ですが、壁の部分補修などでは従来の足場を組み立てるより手間やコストがかからないので使用されています。 超高層建築物で行う修繕工事でも、地上から積み上げる方法では費用や安全面に問題があると判断され、ゴンドラが使われます。

日本ではゴンドラの規制が強化されている

可搬型ゴンドラは安全意識向上や安全装置が普及されたことで、落下・墜落などの労働災害の件数も少なくなりました。 労災事故を防ぐため、労働安全衛生規則と労働安全衛生法でゴンドラの定義がされ強力に規制されています。 厚生労働省告示の「ゴンドラ構造規格」「ゴンドラ安全規則」では、ゴンドラを運転するためには特別教育を修了したゴンドラ操作者でなければならないとされているなどです。

未然に事故を防ぐために

ゴンドラにもいろいろな種類がありますが、安全第一に作業を行うことが必要です。 突風や落下物による事故などの発生を未然に防がなければならないため、 ・積載荷重 ・設置方法 ・設置期間 ・作業内容 ・作業時間 ・周囲の環境 などを作業計画で綿密に考慮しておき、作業を進めることができるようにしておきましょう。 そしてビルの形状の多様化に合わせ、適したゴンドラを選び、作業しやすい環境を作り出していくことも必要です。 既存のビルでの作業においても、ビル管理会社などと事前に打ち合わせしておき、落下物などで第三者に被害を与えないような注意を払っておきましょう。