食品物流は特殊であり、リードタイム短縮や納期厳守などスピードが重視されます。
そのため一般的な貨物と異なるスキルやシステムが運送会社に求められるといえるでしょう。
特に温度管理は厳密に行うことが必要であり、一歩間違うと食中毒などの事故につながりかねないため、慎重に輸送することが必要です。
そこで、食品物流について、食品を扱う物流の特徴や流れ、重視されることを簡単に紹介します。
「食品物流」とは、生産地から消費地まで、安全・効率的に食品を運ぶための物流です。
食品の生産・加工・包装・輸送・販売などの過程を含み、品質管理と食品安全が重要といえます。
取り扱いは、農林水産物・製造食品・輸入品の3つに分けることができますが、食品の特性に応じて適正な温度管理が求められます。
常温・冷蔵・冷凍の3つの温度帯で適切に管理し、運ぶようにしましょう。
食品物流の特徴として、以下が挙げられます。
食品の特性に応じた適正な温度管理が重要であるだけでなく、賞味期限や消費期限の取り扱いも大切といえます。
入荷や出荷の際に期限を確認し、早いものから順番に出荷する管理も行います。
仮に衛生管理に不備があった場合、消費者の健康を危険にさらすだけでなく、社会的な信用を大きく落としてしまうため注意しましょう。
食品物流は、以下の流れで手続を進めます。
①食品の原料生産者から食品メーカーへと原料が届く
②食品メーカーで原料が調理・加工されて販売商品をつくる
③販売商品をメーカー倉庫で保管し品質を維持する
④倉庫から問屋へ販売商品が渡り卸売店へ届けられる
⑤小売店から消費者へ販売商品が届く
食品の品質管理は食中毒などの健康被害を及ぼす影響があるため、一般的な物流と分けて日付・時間管理・コスト管理を行うことが必要です。
食品物流では、一般的な物流と異なり厳密な温度管理が重視されます。
食品ごとに適した温度範囲は異なるため、常温・冷蔵・冷凍の3つの温度帯から選び、適切に管理することが必要です。
倉庫内だけでなく、倉庫へ搬入・搬出するときの温度にも十分に注意してください。
外気が侵入することを防いで、中の冷気を逃しにくくするために、倉庫の搬入口または搬出口には車両の荷台を連結させるドックシェルターやエアカーテンなどを設置しておくと安心です。