
運送会社と郵政省(現日本郵政グループ)は、国のインフラを担う関係です。
公共性を保ちつつ、日本の物流システムの最適化に向けて進化し続けているといえます。
特に、郵便物や宅配便に関わる事業者と、郵政省(現日本郵政グループ)との関係は、日本の物流業界の歴史そのものといえるでしょう。
戦後の長い規制と保護の時代から、法改正による競争導入を経て、戦略的な協業へと変化しました。
日本の物流市場発展に関わる運送会社と郵政省の関係について、時代ごとの規制や協業の歴史を紹介します。
郵便事業は、戦後、郵政省の管轄の専売事業としてスタートしたことがはじまりです。
全国一律で提供するサービスと、信書の秘密保護など、公共性の高い事業として開始しました。
法律で、個人や企業の信書の送付は、原則、郵政省の郵便利用が義務付けられおり、民間運送会社は信書の取り扱いができませんでした。
民間の運送会社で扱うことのできる輸送は小包や荷物であり、安定した巨大市場の手紙への参入は不可とされていました。
そのため、民間運送会社は郵便以外の貨物輸送で競争するしかなかったといえます。
1990年代後半から2000年代初頭に、法律が改正されたため、信書の定義も緩和されました。
法改正により、料金やサイズなどの一定条件を満たせば、民間運送会社なども信書送達に参入できる特定信書便事業がスタートします。
さらに、2007年、郵政事業が国の管轄から離れ、日本郵政グループとして民営化されたことため、民間運送会社と同じ土俵で競争する立場へ変わりました。
競争激化する運送業界において、民間運送会社と日本郵政グループは、互いの強みを活かして戦略的な協業関係を築きつつあります。
たとえば、大手運送会社が郵便局ネットワークを活用した荷物の受け渡しサービスを導入するケースや、日本郵便が運送会社の物流拠点を活用する事例などが見られます。
業界全体の課題である人手不足や環境問題(CO2削減)などの共通課題解決に向けて、共同配送や物流効率化などで協力する動きも増えました。
長距離幹線輸送の共同化や荷物積み合わせ、拠点受け取りでの連携など、今後も協力体制の強化が図られると予想されます。
日本郵便の行政処分などで、集荷業務の一部を緊急的に他社へ委託する動きも加速するなど、業界全体の連携強化が図られています。