交通事故が発生した場合の損害賠償請求について
もしも交通事故が発生した場合、被害者側から加害者側に対して損害賠償を請求することができます。損害賠償の請求権は、その事故ケースなどによって違いがあります。
直接被害にあった人に請求権があるケース
交通事故の場合、事故に遭った被害者本人に損害賠償の請求権があります。この被害者とは、交通事故が発生したことで権利や利益を直接侵害された人のことです。
例えばその事故が人身事故であったなら、身体や生命に侵害を受けた人に請求権があります。また、物損事故の場合なら、財産の所有者、もしくはその財産について権利を有する人が被害者となり損害賠償を請求することになります。
被害者の相続人に請求権があるケース
交通事故が死亡事故になった場合、本来請求権を持つのは被害者です。しかし被害者が亡くなっていれば、この請求権は相続財産として相続人に相続されます。
そのため、死亡事故が発生した場合には、被害者の相続人が被害者に代わって損害賠償を請求する権利があります。また、その他相続の対象になるのは精神的損害賠償としての慰謝料請求権などです。
近親者に請求権があるケース
死亡事故の場合には損害賠償の請求権利は相続人になります。ただし、民法上では死亡事故の近親者に対しても近親者固有の慰謝料請求権を認めています。相続財産としての損害賠償請求権については、被害者自身の損害賠償請求権を相続人が受け継ぎます。これとは別に近親者固有の慰謝料請求権は、近親者が受けた精神的苦痛に基づいた損害賠償請求権です。
実際のところ、民法の規定上では死亡事故に限定されており、固有の慰謝料請求が認められる近親者も限定されていて、父母、子、配偶者です。通常であれば配偶者は常に相続人になりますし、相続の順位も子、親と続くのでこれでは相続人=近親者なのでその他近親者に対して慰謝料請求権がないのと同じと感じるかもしれません。
しかし父母、子、配偶者に匹敵する親密な関係の人であれば近親者固有の慰謝料請求が認められるケースもあります。また、死亡事故でなくても同様と判断できる重大な傷害事故であれば近親者固有の慰謝料請求が認められるケースもあります。
その他の人に請求権があるケース
被害者本人、相続人、近親者以外には原則損害賠償請求権は認められません。しかし稀に、直接の被害者ではないけれど間接的に何らかの被害を受けたという場合に損害賠償請求権が認められるというケースもあるようです。
まとめ
損害賠償の請求権は、交通事故の状況や被害者の状態によって誰が請求権を持つのか違ってきます。もしも自分に請求権がある場合には、正しい方法で加害者に請求するようにしましょう。