東京の物流が都内のみで完結することは多くありません。首都圏から全国、海外へと広域に輸送されることで成り立つことが多く、東京は首都圏物流の中心的な存在であるといえます。
東京を起点や終点とした物流を効率化するためには、首都圏を視野に入れながら物流現場でどこを改善させれば効率的な流れとなるのか、問題となっている部分を把握・分析することが必要です。
たとえば東京都内の製造業で製造品を出荷することが多いのは、電気機器、輸送機械、機械・金属製品、印刷関連製品の4つで、これらの品目が7割を占めている状態となっています。
また、東京都内の家計消費支出を確認すると、衣類など日用品、生鮮食料品、加工食料品の3つが7割を占めているようです。
そのため、これらの品目を輸送するときに発生する問題部分を解決できれば、製造品の物流にかかる費用を削減できるでしょうし、日々の暮らしに必要な品の輸送サービスを向上させることが可能と考えられます。
人口の多い首都圏は巨大な消費地となっているともいえますが、特に広域的な物流施設や都市内配送用の物流施設などを経由して物資は輸送されています。
この広域的な物流施設は臨海部や郊外部に設けられていることが多いようですが、コスト削減などを目的とするなら新しい立地に物流施設を設けることも必要となるでしょう。
新たな立地場所の候補地を検討する場合には、道路の利便性が高いか、地代や賃料はどのくらいかかるのか、住宅との混在状況を含む周辺環境などを加味することが必要です。
しかしよいエリアが見つかっても、用地を確保することが難しく対応が進まないというケースも見られます。
実際、物流施設はだんだんと大型し、さらに賃貸を利用することなども進んでいます。そのため、外資型物流不動産業などが貸し出す大規模で機能の高い物流施設に対する需要が高まっているともいる状態です。
それらも踏まえて、用地を確保すべきか、賃貸で利用したほうがよいのか検討しましょう。
物流施設が高速道路IC近傍、または主要な幹線道路沿道に立地していれば、物流活動を効率的に行うことができるでしょう。
ただ、設けた物流施設の対象地区に住宅施設や商業施設など多様な都市機能が混在することを防ぎ、物流施設が集約的に立地誘導を図ることも必要であると考えられます。