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運送業界では零細企業のM&Aが進んでいる?その背景とは

2022.10.04
分類:経営

運送会社と呼ばれる企業ときけば、知名度の高い大手の名前が真っ先に浮かぶ方が多いでしょう。

しかし実際には、運送会社のほとんどは中小・小規模零細企業が占めています。

荷主に対する弱い立場や、適正な運賃を収受できず、厳しい環境に置かれた状態のままで事業継続が厳しくなり、M&Aを検討する例もあるようです。

そこで、運送業界では零細企業のM&Aが進んでいるのか、その背景について解説していきます。

中小・零細と呼ばれる運送会社のM&Aが進む背景

実際、中小・零細と呼ばれる運送会社のM&Aは増えつつあるといわれています。

その背景には、次の4つが関係しているといえるでしょう。

・後継者が見つからない

・ドライバーが不足している

・燃料費が高騰している

・競争激化で生き残りが厳しい

それぞれ何が関係しているのか説明していきます。

後継者が見つからない

運送会社に限らず中小企業は後継者不足が深刻化しているといえます。

今のままでは60万という数の企業が、利益を生み出し黒字であるにもかかわらず、廃業という選択を強いられる可能性もあります。

運送業界もほとんどが中小・零細企業のため、このまま若年層の参入が少なければ業界全体が衰退し、廃業が相次ぐことになるでしょう。

廃業を避けるため、大手企業など外部へ事業を引き継いでもらうM&Aが注目されるようになった理由といえます。

ドライバーが不足している

運送業界は、ドライバーの高齢化が進んでいるといえますが、長時間労働・低賃金など労働環境を好まない若年層の入職者が増えないままでは、既存のドライバー引退後に事業継続が難しくなります。

ドライバー不足が解消されないため、人材不足を解決する対策としてM&Aが活用されてきたといえるでしょう。

燃料費が高騰している

運送業界のほとんどが中小・零細企業であるため、燃料費の高騰により資金難に苦しむケースも少なくありません。

利益を圧迫する重大な危機といえますが、燃料費の高騰の背景には産油国の減産、米中の貿易摩擦などいろいろなことが関係しています。

コスト負担に対応するため、会社規模を拡大し経営基盤を盤石にすることを目的としたM&Aも見られます。

競争激化で生き残りが厳しい

運送業は、トラックとドライバーさえいれば簡単に事業をスタートできます。

参入障壁の低さから、新規で参入する小規模事業者も増えたといえるでしょう。

そのため競争が激化し、他業者との差別化のために運賃の値下げ競争が起きてしまい、収益を確保することが難しくなっています。

競争激化による生き残りが厳しい状況となったため、M&Aで規模を拡大し、地域シェアを拡大する動きも見られるようになりました。