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運送の休憩時間の管理は難しい理由とは?必要な時間について簡単に解説

2023.10.02
分類:その他

運送業のドライバーは、トラックを運転している時間が長く、事業所にずっととどまっているわけではないため休憩時間の把握が難しいといえます。

 しかし適切に休憩時間を取っているか確認せず、管理を怠れば後でいろいろなトラブルが発生することもあるため、適切な管理が必要です。

 そこで、運送業の休憩時間の管理が難しい理由と、そもそもどのくらい休憩すればよいかについて簡単に解説していきます。

ドライバーが取得するべき休憩時間

 ドライバーが取得するべき休憩時間は、4時間ごとに30分以上を目安にしてください。

 運送業のドライバーの拘束時間は、113時間、最大16時間となっています。

 拘束時間とは、運転時間と休憩時間などを合わせた時間です。

 運転時間は2日間平均9時間が限度とされており、2日間の拘束時間26時間(最大30時間)の中で、運転してもよいのは18時間までとなります。

 さらに拘束時間の13時間を守れば、続けて仕事をさせてもよいわけではなく、連続して運転できるのは最大4時間までです。

 4時間運転した後は、必ず30分以上の休憩時間を取ってもらわなければなりませんが、たとえば4時間のうち、10分以上の休憩を分割して取るといったこともできます。

 

 ドライバーの休憩時間管理が難しい理由

 運送業のドライバーの休憩時間については、管理が難しいといわれています。

 適正に労働時間を把握し、管理することは使用者に課せられた義務といえるものの、ドライバーがいつ休憩時間を取っているか把握できなければ正しい労働時間で働いているか確認できません。

 運送業では、デジタルタコグラフやGPSなどで車両の位置や状況などは把握できるものの、仕事をしているのか休憩中なのか正確に把握することは困難です。

 出社と退社の時間はタイムカードなどで証明し、取得した休憩時間についてはドライバーに運転日報を記録してもらうことなどが一般的ですが、正しい記録内容かまでは確認できないといえます。

 

 荷待ち時間は休憩時間ではない

 運送業のドライバーの休憩時間の管理が難しい理由には、時間どおりに集荷や配達する地点に到着しても、待機時間が発生することが関係しています。

 この荷待ち時間が長時間に及んだ場合、車内で座っているだけであれば、外観上は休憩時間にもとれるでしょう。

 しかし労働基準法では、使用者の指揮命令下に置かれている時間は労働時間とされています。

 そのため荷待ち時間は労働時間であり、休憩時間として扱うことはできませんので、荷待ち時間を除いて別途休憩時間を取ってもらうことが必要になります。