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運送事業者が廃業する場合に必要となる事前届出とは?いつまでに提出が必要?

2022.12.08
分類:経営

後継者不足や新型コロナの影響など、廃業に悩む下請けの運送事業者は少なくありません。

今働いているドライバーの平均年齢は50代半ばで、今後若手の人材が増えなければ事業を継続できなくなると不安を抱えている事業者も多くいます。

人手が足りていない状況で労働環境の見直しも難しく、2024年の残業規制適用を前に廃業を検討するケースが増加傾向にあるのも事実です。

ただし、トラック運送事業を廃業するときには、事前届出が必要となるため、いつまでに提出しなければならないのか万一のためにも知っておきましょう。

トラック運送事業を廃止する場合に必要な届出

事情により、トラック運送事業を休止または廃止するときは届出が必要です。

この届出は事業の全部を休止・廃止するときに限られ、一部の休止または廃止の場合には事業計画の変更手続で行います。

注意したいのは、事業を休止または廃止した日からいつまでに届出が必要になるかですが、次の2つについて説明していきます。

30日以上前の事前届出

・運行管理者解任の届出

30日以上前の事前届出

これまで運送業の廃止・休止の届出は事後に届け出れば問題ありませんでした。

しかし何らかの問題があったとき、運送業を廃業し監査逃れや処分逃れなどの行為が可能だったため、30日以上先の日付を指定しいつ廃止・休止するか事前に届出が必要となっています。

仮に死亡事故が発生したことで監査前に事業廃止届を提出しても、事業廃止届は事前届出となり実際に廃業できるのは30日以上先になったため、それまでに処分される可能があります。

運行管理者解任の届出

また、運行管理者が1人の実の状態で、その運行管理者が退職し他社の運行管理者になる場合、自社で運行管理者として登録されていては別の会社で運行管理者の登録はできなくなります。

運行管理者解任の届出が必要ですが、自社の運行管理者が1人もいない状態になると運送業許可もなくなってしまいます。

これまでのルールでは、運行管理者がいなくなった日に運送業の休止の届出で問題はありませんでした。

しかし制度変更により、30日以上先の日付を指定し廃業届出の提出が必要ですが、運行管理者不在の状態にはできないため30日以上経過後に運行管理者を解任し、元の運行管理者が別会社で運行管理者として選任できるようになります。

現実で問題となることがあるため、十分に注意しましょう。