物流コストが高騰傾向にあるといわれていますが、それによって社会にどのような影響が及ぶのでしょう。
人々の生活において欠かすことのできない物流で、コストがインフレ状態にあれば、何らかの影響は避けられないと考えられます。
そこで、物流コスト高騰の背景について、物流維持に向けて求められる取り組みを紹介していきます。
物流は社会経済を回す重要な役割を担う社会的なインフラです。
しかし電子商取引の増加で、人口減少に伴う労働力不足などを原因とした需要と供給のバランスが崩れる恐れがあります。
需要と供給のバランスが崩れたまま、何の改善もせずに放置すれば、物流機能の維持は困難となるでしょう。
現在でも、原料費や包装資材などが高騰し、様々な食品や日用品が値上げされているため、物流機能に影響が及んでいる状況です。
物流における運賃上昇の背景には、現場のドライバー不足が関係しています。
インターネットを使ったECサイトの需要が拡大し、貨物量や小口輸送の需要が高まっている中で、日時指定配送など配送業務が複雑化しており現場の人手が足りていません。
今後、運送業のドライバーはさらに不足することが予想されており、人材確保が急務となっています。
しかし運送や物流の仕事は、長時間で給料も安いといったイメージが浸透し、ドライバーの人手不足は解消されにくい状況です。
物流機能を途絶えさせないためにも、届け先の共通する卸売業者やメーカーなどが複数荷物を持ちより、共同で配送する共同配送などを取り入れることが必要になるでしょう。
インターネットの仕組みを活用し、オープンな物流ネットワークを創る共同配送を「フィジカルインターネット」といいます。
複数企業の保有している倉庫やトラックをシェアし、物資を効率的に輸送する新たな物流システムの考え方です。
輸送の効率化やコスト削減などの共同配送はすでに行われているものの、荷主や物流事業者それぞれが共同で輸送する相手を見つることが必要となります。
しかしフィジカルインターネットであれば、共同配送を世界の物流サービスへと広げることが可能です。
輸送機関や倉庫、トラックなどの稼働状況がリアルタイムにインターネットを通じて共有され、情報が伝達されることで必要なコンテナが用意されます。