運送業がドライバーなど雇用する場合、賃金規定を定めておくことが必要です。
賃金規定は就業規則の一部といえますが、就業規則には必ず定めておくことが必要である絶対的必要記載事項と、任意で定める相対的必要記載事項があります。
その点も踏まえた上で、運送業が就業規則に定めておかなければならない賃金規定について解説していきます。
「賃金規定」とは、給与計算や支払い期日・方法などの決まりです。
細かい内容については事業者に委ねられるため、労働基準法に即している内容であれば問題ありません。
なお、10人以上の労働者がいる場合に作成が義務付けられている「就業規則」のうちの1つとして扱われています。
「就業規則」の作成が義務づけられているのは、労働者を常時10人以上雇用している事業場です。
10人未満の事業場や個人事業主などは、就業規則の作成義務はないため、賃金規定についても定めなければならないわけではないといえます。
ただ、後々トラブルが起きることを防ぐためにも、賃金規定については定めておくようにしましょう。
就業規則には次の2つの事項があります。
・絶対的必要記載事項(必ず記載しなければならない事項)
・相対的必要記載事項(ルールとして定める場合に記載が必要になる事項)
この中で賃金規定は、基本的な部分を絶対的必要記載事項として規定し、一部は相対的必要記載事項に表記されることになります。
絶対的必要記載事項とされる賃金規定は、
・賃金の決定
・賃金の計算方法
・賃金の支払い方法
・賃金の締め切り日
・賃金の支払い時期
・昇給に関する事項
の6つです。
対して相対的必要記載事項とされる賃金の項目は、
・退職手当が適用される労働者の条件と犯意
・退職手当の決定方法
・退職手当の支払い方法
・退職手当の計算方法
・退職手当の支払い時期
・臨時の賃金(退職手当除く)
・最低賃金額
の6つとされています。
運送業の場合、正社員もいればアルバイトで働く労働者もいる可能性がありますが、複数の賃金規定を作成することや細かい規定を別途定めることも問題ありません。
一般的には賃金規定に定めておく内容として、次の項目が挙げられるでしょう。
・基本給
・手当(家族・通勤・技能・資格・精勤・役付など)
・割増賃金(時間外労働・休日労働・深夜労働など)
また、給料から控除する項目を定めるときにも就業規則内に記しておきましょう。
計算方法についても明確に記載しておかなければトラブルにつながる可能性があるため、時給制・年俸制・日給制・月給制など採用する方法を記載しておいてください。