運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

物流を活かした増収増益で儲かる「ニトリ」のアイデアとは?

2020.04.05
分類:経営

家具やインテリア製造小売り販売を行うチェーン店であるニトリホールディングスは、20192月期決算に32期連続の増収増益を達成しています。

ニトリグループは商品企画から、製造、物流、販売まで自社で行うオンリーワンのビジネス展開を行っていることが特徴です。

そのニトリの増収増益が可能となる仕組みとは何なのか、物流を活かしたその仕組みをご紹介します。

ニトリの物流を活かしたサービス

ニトリの商品はお店で購入したものの、そのまま持って帰れない大型家具やインテリア雑貨などは自宅まで配送しています。

この商品の配送という物流がなければ成立しないビジネスですが、一貫した物流による在庫管理を可能とする独自の物流システムを構築させてくることが特徴です。

また、商品の受け渡し方法や購入した場所により、物流経路を区分けした管理を行っているのも特徴であり、商品形態により物流センター、配送センター、発送センターをそれぞれ活用しながら顧客の手元に届けるといった流れを採用しています。

 

在庫状況も一貫管理が可能に

さらに201612月からは都市型店舗の店頭在庫と、ネット通販が対象となる発送センターの在庫情報を一貫してリアルタイムで管理できるようにしています。

そのため、インターネット通販で注文した商品を近隣の店舗で受け取ったり、店で商品を確認しながらアプリで注文したり、店で購入した商品を自宅まで配送してもらうといったいろいろな方法で消費者が購入することができます。

 

ロボット倉庫の導入でピッキング作業を省力化

川崎市にある通販配送センターに20161月、ロボット倉庫を導入したのもニトリホールディングスの物流子会社ホームロジスティクスが国内初です。

物流センター内で作業の多くを占めることとなる商品のピッキング作業を省力化することが目的で、これにより作業時間の大幅な短縮とピッキングの精度向上が可能となります。

実際、導入したことでピッキング作業の生産性向上は従来の5倍以上と成果が出ています。

さらに2020年夏には埼玉県幸手市に国内最大級の物流センターを新設すること決定するなど、ますますニトリの増収増益に向けた活動には目を離せません。

 

海外生産品もスムーズに国内供給可能に

まさに物流業界の常識を次々に塗り替えているグループ企業といえますが、貿易改革室を立ち上げて自社通関の体制を整備させたのも取り組みの1つです。

通関条件は国によって異なるため、申請から許可・承認、契約までの手続きは煩雑になりがちです。その煩雑さを解消するため、自社ですべての手続きを行うことができるような通関の体制を整備し、大幅なコスト削減にも成功させ海外生産品を円滑に国内供給できるようにしています。

2032年には3000店舗・売上高3兆円といった中長期ビジョンを掲げているだけあり、今後も物流の仕組みをうまく活用しながら成長し続ける姿に目を離せないといえるでしょう。