「ボストン コンサルティング グループ(BCG)」が2017年10月、2027年の日本のトラックドライバーの労働力需給の将来予測を公表しました。それによれば、日本の物流トラックドライバー数はなんと24万人不足するとされています。
さらに鉄道貨物協会でも、2028年度にはトラックドライバー不足が約28万人まで広がるという予測を発表しており、このままでは物流業界や運送業界はどうなってしまうのか…と不安を感じる企業も少なくありません。
もしこれらの予測通りにドライバー不足が進んでいけば、運ばなければならないモノはあっても運ぶことができない危機が訪れることとなります。
なぜドライバーが不足するのかというと、需要量と供給量の変化を見たとき、需要量が拡大するのに供給量が減少の一途をたどってしまうからです。
需給の乖離は年々拡大することとなると予測されていますが、需要面をみたとき国内貨物輸送量は緩やかに上昇しており、営業用トラックと自家用トラックの輸送分担も変化しています。
2017年度の営業用トラックの分担率は63%なのに、10年度後の2028年度は68%まで増えると予測され、ドライバーは不足する流れに拍車をかけることとなると考えられます。
さらに50歳未満のドライバーはすでに減少していますが、大型トラックのドライバー、中型・普通ドライバーのどちらも、50歳以上のドライバーは増えるのに50歳未満のドライバーは今後も減少すると考えられています。
ドライバー不足は2028年になっても変わらず、状況は改善されないと予想されるからでしょう。
そもそも日本は人口が減少しているため、新しく若い人材を獲得できるほどの魅力が物流業界や運送業界になければ、人手不足は解消されることはないでしょう。
しかし、いくら人口が減ったとしても生活に必要なモノは製造され続けます。製造後には倉庫に保管され、それぞれの拠点に配送、そして消費者の手に渡っていきます。ここで重要な役割を果たすのが、運輸、配送、倉庫など物流の業種なのです。
労働に見合わない賃金だとネガティブなイメージがついてしまっている物流・運送業界ですが、人々が満足する形で製品を手にするまで、様々な作業過程を高い品質を保ちながら経ていくことが求められる業種といえます。
人々が生活を快適に送るために欠かすことのできない業種であり、もっと物流・運送業界の魅力を多くの方に知ってもらうことが必要となるでしょう。