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運送業の業績が絶好調なら増車も可能?満たすべき要件と必要な手続とは

2023.05.08
分類:総務

インターネットが普及し、EC業界が活気づいたことで、ネット通販や宅配業務などのニーズは高まる一方です。

 業績が絶好調といえる運送業では、事業拡大や運行スケジュール効率化に向けたトラック増車を検討していることもあるでしょう。

 しかし国土交通省に事業登録で認可を受けている事業者は、トラックの台数を勝手に変更することはできません。

 台数変更のために増車申請の手続が必要となりますが、満たすべき要件と必要な手続について解説していきます。

事前に届出が必要

 運送業事業者がトラック台数を変更するときには、事前に届出が必要です。

 勝手に変えることはできず、運輸支局に増車申請の手続を行わなければなりません。

 ナンバー変更前に事業計画変更届を提出する、または事業計画変更の認可申請による認可を受けることが必要になります。

 手続しなければ自動車登録できず、事業用自動車としてトラックを使うことができなくなるため注意しましょう。

  

増車手続の注意点

 増車手続については、2019年に貨物自動車運送事業法が改正されたことで、ルールが厳格化されています。

 届出を申請する以外にも、認可を受けていなければ増車できない場合もあるため注意が必要です。

 主に増車届出で注意しておきたいことは、次の3つといえます。

 ・トラックの管理・収容場所確保が必要

・運行管理者の増員が必要

・法令遵守が基本

 それぞれの注意点について説明していきます。

 

 トラックの管理・収容場所確保が必要

 トラックの収容能力が不足していれば、増車することはできません。

 トラック管理場所で求められる面積は以下のとおりです。

 2トントラックの場合…15

2トンロングトラックの場合…20

2.0トンロング超~7.5トンまでのトラックの場合…28

7.5トン超のトラックの場合…38

  

運行管理者の増員が必要

 トラックの増車には、運行管理者とトラック管理場所を確保することが必要です。

 1人の運行管理者が管理可能となるトラックは29台までであるため、30台以上のトラックを保有するなら運行管理者が2名必要になります。

 運行管理者を増やすときには、運行管理者選任届出手続が必要です。

  

法令遵守が基本

 トラックの増車において届出者が地方運輸局などから車両使用停止以上の処分を受けているとき、増車実施予定日に処分期間が終了していなければなりません。

 法令遵守が基本となるため、処分期間中は増車できないと理解しておいてください。