運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

倉庫や物流センターを収益物件に?物流不動産の仕組みとは

2020.06.08
分類:経営

物流不動産とは、物流業務のための施設として第三者に賃貸される倉庫や物流センターなどのことです。

物流不動産の特徴として挙げられるのが、従来の倉庫業では輸送や保管の量に応じた料金の収受という形でしたが、物流不動産では賃貸した面積に応じて賃料を収受できる点でしょう。

施設の特徴として挙げられるのが、ダブルランプウェイ・免震・制震構造・太陽光発電といった最新鋭の設備を備えた建物が増えており、中には託児所やカフェテリアなど従業員が働きやすい環境配慮が行き届いた物件の開発も進んでいることです。

物流不動産とはどのようなビジネス?

物流不動産は物流の業態化に不動産を取り入れたビジネスといえます。

物流業者の保有している不動産は、物流用途だけに限定され手使われているなど、最大限収益化されているとはいえない状況です。

物流形態の変化によって、新たな形の倉庫が大量に供給されるようになりました。そのため従来タイプの倉庫は次々に空きが発生してしまうことになったわけですが、この空いた倉庫を物流用と以外にも多目的に活用しようというものが物流不動産ビジネスです。

多目的に活用する過程において、物流ノウハウに加え不動産、建築、金融、流通、ITといった業務ノウハウを獲得しつつ、物流営業を積極的に行い業態化するという考え方となっています。

物流不動産ビジネスは物流事業の収益拡大を目的とするので、不動産を活用する際の不動産業務が占める割合は大きくなってしまいます。しかし一般的な不動産業とは大きく違うのです。

 

これからの物流はどのように変化するのか

将来的に物流がなくなることはないですが、今の物流企業が同じやり方で存続できるかといえばそうではありません。

サプライチェーン、3PL、オムニチャネル、超大型最新物流施設など、物流の形も年々変化しているため、従来の物流企業のままでは時代に置いて行かれる可能性が高いからです。

利用する側の立場となれば、できるだけ便利で効率化が可能となり、コストを下げることができることを重視します。そのため物流企業側が根底から変化しなければならない状態であるといえるでしょう。

物流は単にモノを預かり、運べばよいという専業の時代は終わり、商流や情報発信そのものになっているといえます。

急激に大手による寡占化が進み、中小の物流企業の経営は厳さを増している状況ですので、物流不動産ビジネスなども検討してみることが必要かもしれません。