新型コロナウイルスは需要を低下させデフレを招く要因となると考えられますが、供給が減少すればインフレを招く可能性もあるとも考えられます。
もしインフレになれば、景気とインフレの対策を同時に進めていくことが必要となり、困難な状況に陥る可能性が出ていきます。
新型コロナウイルス感染症が流行したことで、マスク不足が叫ばれる中、SNSのデマが拡散しトイレットペーパーも不足してしまうこととなりました。
マスク不足と同時にトイレットペーパーも不足する噂を耳にした人たちは、買いだめしておこうと考えるようになり、中には買い占めを行い転売しようという考えも生んでしまいます。
それにより、店頭に並ぶトイレットペーパーはだんだんと少なくなり、危機を感じた方たちが多く購入するようになり在庫が尽きてしまうという減少が起きてしまいました。
単なるデマが実現してしまったことになりますが、トイレットペーパーの使用量は増えることがないので不足することはないと、冷静に考えればわかることです。
しかし冷静な考えで買わなかった人がトイレットペーパー不足で悩むことになってしまい、買いだめしておけばよかったと後悔してしまったかもしれないことが問題といえます。
デマに流され多めに購入した方たちが反省していれば、次から同様のことが繰り返されることはないでしょう。しかし反省していなければ、また同じことが起きる可能性があるからです。
世界的な規模の重要物資で同様のことが起きた場合、たとえば食料品がその対象なら、ひとまず最重要の食料品を確保しておこうと考える国や人が増えてしまうかもしれません。
それにより不足するという情報が相乗効果で、さらに大きな不足をもたらす可能性が出てきます。
世界の食料の需給バランスが崩れた場合、食料品の値段が上昇するインフレが起きる可能性があるということです。
国内では運送業者が新型コロナウイルスに感染しないか不安視されています。部品工場から組立工場に、そして組立工場から小売店にという物流において、新型コロナウイルスによる労働力不足が発生すれば、流れが滞り商品が品不足になる可能性があるからです。
モノが小売店に届かなくなり、インターネット通販も機能しなくなれば、モノの値段が高くても買いたいという消費者も増えます。それにより店頭に並ぶ数少ない高額な商品に殺到することも考えられるため、そうなればさらに価格が高騰する可能性も出てくると考えておくべきです。