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物流業界で働くドライバーは低所得者が多い?改善させる新たな仕組みとは

2020.11.04
分類:経営

物流業界では、再配達増加などによる配送ルートの複雑化で業務効率が低下している状況でありながら、ドライバーも十分の収入を得ることができない低所得者が増えていることが問題視されています。

背景にあるのはECの急成長で、宅配便の取扱個数は増え続ける一方、物流を担うこととなるドライバー不足に頭を悩ませている状況です。

業務の非効率と長時間労働、それでいて低賃金であるなど労働環境が厳しいままでは、人手不足はますます深刻化すると考えられるでしょう。

フリーで働くドライバーが急増中?

日本の物流業界は元請けと下請けや卸売りと小売り、メーカーとサプライヤーといったBtoBによる取引です。

このBtoB領域における運送会社は全国63000社ほどといわれており、多くが10台以下の車両で運営する小規模な会社です。

小規模な会社では売上向上を目指すため、保有車両でまかなうことのできる案件数を超えた仕事を受注し、フリーで働くドライバーに仕事を下請けとして受けてもらっています。

運送に携わる軽貨物車を所有したフリーのドライバーは全国で26万人ほどいるといわれていますが、下請けによる業務に従事している状況です。

 

仕事を引き受けなければ依頼がなくなる?

BtoB領域では仕事を断われば依頼がなくなることを恐れ、誰がいくらで仕事を発注しているのかわからないまま依頼を引き受けています。これが配送効率を低下させ、賃金を低下させる要因になっているといえるでしょう。

多重な下請け構造で劣悪な条件で仕事を引き受けるしかない現状を変えていくことで、低所得者となっているドライバーは少なくなるはずです。

 

低所得者のドライバーをなくす新たな仕組みとは?

今後もEC需要の高まりにより荷物量は増加すると考えられるため、ドライバーの労働環境を改善させ、業務を効率化させることは急務といえるでしょう。

荷主などが配送依頼すれば1分たらずでドライバーとマッチングが成立するサイトなども出てきています。

仕事を依頼する荷主も公開されているドライバーの評価などを参考に、どのドライバーに依頼するかを決めることができる仕組みです。

ドライバーが荷主から直接仕事を引き受けることができるので、中間業者を挟まず単価も上がるなど、多重下請け構造を許さないことが大きな特徴といえるでしょう。

ドライバーにも荷主にもメリットが

プラットフォーム上で依頼される仕事の内容や評価が見える化されることにより、ドライバーも努力すれば評価が上がるので仕事を多く受注するにつながるシステムとなっています。

低所得者だったフリーのドライバーも、このマッチングサイトを活用して月100万円以上という収入を得ているケースも出ているようです。

ドライバーのモチベーションアップにもつながりますし、荷主にとってもメリットは大きい仕組みといえるでしょう。