運送ドライバーは、長時間労働で休みがとりにくく、休日出勤も多いという実態が見られます。
その背景には近年のネットショッピング利用者急増が関係しており、宅配便量が増えて仕事量も増加しているのに、実際には6割以上の運送会社がドライバー不足で悩んでいます。
運送ドライバーは夜勤やシフト勤務など特殊な働き方であることが多いことも理由といえますが、休日出勤すればその分、割増率が適用された賃金を受け取ることが可能です。
そこで、運送ドライバーの変則的な働き方ルールと、休日出勤した賃金について解説していきます。
運送ドライバーの場合、シフト勤務や夜勤などが発生する変則的な勤務体系となることが多いため、拘束時間・休息時間・休日については他の職種と異なる以下のルールが適用されることになります。
・拘束時間
・休息期間
・休日
・休日出勤の賃金
休日出勤したときの賃金も含め、上記4つを説明していきます。
「拘束時間」とは、始業から終業の1回の勤務における労働時間と休憩時間を合わせた時間です。
原則として1日13時間までであることが求められるものの、16時間までなら延長することもできます。
ただし15時間を超えてもよいのは1週間に2回までで、1か月の拘束時間は293時間までという決まりもありますが、労使間で協定を結んでいれば最大320時間まで延長できます。
1年間で320時間まで延長可能なのは6か月までであり、1年間の総拘束時間は3,516時間(293時間×12か月)までという決まりもあります。
「休息期間」とは、勤務と次の勤務の間の自由時間のことで、勤務が終了した後は8時間以上連続した時間を1休息としてカウントします。
「休日」は、労働基準法で定めのある「法定休日」と、労使間で取り決めた「法定外休日」があります。
法定外休日は主に事業者側が従業員に与える休日といえるため、運送業では運送会社ごとにルールが異なるといえます。
運送ドライバーの場合、
休日=休息期間+24時間の連続した時間
で考えることが必要であり、原則8 時間以上休息時間を確保するため、
休日=8時間+24時間=32時間
となり、32時間以上の連続した時間と考えます。
労使間で休日出勤に関する協定を結んでいれば可能です。
ただし運送ドライバーの場合、休日出勤は2週間に1回までという定めがあるため、回数を超えないように注意してください。