物流業務を行う上で避けることができないのが物流コストの発生です。企業収益に関係する部分であるため、削減したいと考えている経営者も少なくないことでしょう。
そこで、どのように物流コストの予算管理を行えばよいのかご説明します。
物流コストの予算管理を考えるときには、輸配送、在庫・保管、荷役、物流加工、包装といったそれぞれの領域の予算編成を実施し、コストを可視化させることが必要です。
企業ロジスティクスの司令塔となる物流部門のコストに対して意識を高め、現場にも反映させていく必要があります。
予算は輸送費、保管費、包装費など総量を求めて編成されることとなりますが、荷主別や物流センター別、エリア別などいろいろな区分から予算管理を行うことも必要です。
物流コストとは、物流業務において発生する費用を指していますが、有形・無形関係なく供給者と需要者間にモノの流れが存在すれば対象です。
運送費といっても何でモノを運ぶかにより費用は異なります。
チャーター機の運賃…専属運輸を活用し自社商品だけを輸送する時に発生します。
宅配事業者による運賃…各社が国土交通省に届出している運賃表を基にして決められます。
その他運賃…共同配送便や複数の宛先に配送できるルート便などのことです。
自社便の運賃…自社運用の輸送機にかかる運賃です。
航空便の運賃…国内外に配送するときにかかる航空便の運賃のことです。
上輸送の運賃…船で海外輸送するときに発生する運賃を指します。
倉庫などにモノを保管するための費用です。
・賃借料…保管する場所を借りるための費用
・保管料…保管した商品管理のための費用
・入出庫料…在庫管理や荷物の入出庫に係る費用
倉庫や物流センターなどから荷物を入出庫する際に発生する費用です。
・入庫費…荷物を倉庫や物流センターなどに入庫するときにかかる費用です。
・出庫費…倉庫・物流センターなどから荷物が出庫されるときにかかる費用で、ピッキング料と呼ばれることもあります。
・梱包費…倉庫・物流センターで行う梱包にかかる費用です。
・流通加工費…商品を流通させる上で発生する費用で、シール付け、タグ付け、プレス加工などを含みます。
・輸出にかかる諸経費…輸出するときにかかる費用で、通関料、ドレージ料、取扱手数料、港湾施設利用料、関税なども含みます。
物流管理を行う作業員の人件費も必要です。社内物流費と調達物流費に分けられることが一般的といえます。
・社内物流費…製品として移送される前段階で発生する費用で、製品になった後の輸送費・諸経費・保管費などを含みます。
・調達物流費…原材料を調達する際に発生する費用です。