運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送会社が適切に行うべきなのはドライバーの健康管理

2021.08.11
分類:総務

運行管理者は、トラックの安全運行を確保するためにもドライバーの健康管理を適切に行う必要があります。

健康管理を行うことで、ドライバーが運転中に事故を起こすことを防ぐだけでなく、ドライバーやその家族が快適に日常生活を送ることにもつながります。

連続運転時間や休憩時間にも注意

長距離ドライバーが長時間トラックを1人で運転しなければならないと、運転中に体調を崩してしまい大事故を起こしてしまう可能性も十分考えられます。

このような事態を防ぐためにも、運送会社では健康診断を適切に実施しなければならないとされています。

そもそもトラックドライバーは、運転時間に制限が設けられており、2日間の運転時間の平均は9時間以内におさめることが必要です。

連続で運転するのなら休憩を定期的に取ることも必要であり、運転を開始して4時間以内、または4時間を経過した直後に30分以上の休憩をとることとされています。

他にも拘束時間や休息時間についての様々な規定がありますが、これらを守ることも健康管理において重要なことです。

 

ドライバーが行う健康診断とは

労働安全衛生法(健康診断)違反予防のため監査強化

労働安全衛生法では、

・雇用の際の健康診断

・定期健康診断

・特定業務従事者の健康診断

という3つの健康診断を行うとしています。

このうち特定業務従事者の健康診断は深夜業に従事する方を対象としているため、長距離トラックのドライバーなども含まれます。

定期健康診断は年1回実施することとなりますが、深夜業に従事する場合には半年に1回以上の健康診断を受けてもらうことになります。

上記の健康診断を受けさせていない場合、労働基準監督署から運輸局に通報されますので注意してください。

 

運送会社に業務用血圧計を導入するメリット

業務用血圧計を導入する場合には、全日本トラック協会から導入促進助成事業として助成金が支給されます。

助成金は、1事業所様1台限り・上限5万円となっていますが、健康管理に役立つため検討するとよいでしょう。

血圧を測定すればドライバー自身が自らの血圧を知ることが可能となり、会社内で測定できるので管理者もドライバーの健康状態を把握できます。

また、定期的に測定すれば日々の健康状態を把握することにつながり、長期で続ければ健康状態の傾向も知ることができるでしょう。

点呼の際に管理者とドライバーが血圧値を参考に健康状態を把握できるため、健康に起因した事故を未然に防ぐことにもつながります。

ドライバーの健康状態に起因する事故発生も増えつつあるため、健康起因事故を防ぐためにも業務用血圧計を導入することを検討してみてはいかがでしょう。