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運送業と産業廃棄物収集運搬業の違いとは?

2023.02.09
分類:リスク

荷物にもいろいろな種類がありますが、モノを運ぶ業種にも「運送業」と「産業廃棄物収集運搬業」など種類があります。

どちらも必要な定義を満たし許可証を取得していることが必要ですが、何を運ぶかにより依頼する業者も異なります。

そこで、運送業と産業廃棄物収集運搬業の違いについて解説していきます。

運送業とは

「運送業」とは、運賃や手数料をもらって有償で貨物や旅客の輸送をする事業です。

種類は様々で、たとえばトラックなどを使って貨物を運ぶ陸上運送業や、船を使った海上運送業、航空機を使う航空運送などが種類として挙げられます。

一般的に馴染みが深いのが陸上運送業ですが、運送業は「運送業許可」を取得し、貨物や旅客の輸送をする事業です。

そのため廃棄物を収集運搬することまではできません。

産業廃棄物収集運搬業とは

「産業廃棄物収集運搬業」とは、運賃や手数料をもらって産業廃棄物を運ぶ事業です。

運送業の場合、貨物自動車運送法が根拠の事業となりますが、産業廃棄物収集運搬業では廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)が根拠となるという違いがあります。

産業廃棄物の収集・運搬は、産業廃棄物収集運搬業許可を取得している業者だけですが、産業廃棄物収集運搬業は次の2つに区分されます。

・産業廃棄物収集運搬業

・特別管理産業廃棄物収集運搬業

このうち特別管理産業廃棄物は産業廃棄物の扱いと異なり、産業廃棄物収集運搬業許可だけ取得していても収集・運搬を行うことはできません。

「産業廃棄物収集運搬業」と「特別管理産業廃棄物収集運搬業」のいずれの場合も産業廃棄物の収集・運搬は可能ですが、運送業が扱う貨物を運ぶことはできませんので注意してください。

「貨物」と「産業廃棄物」の違い

収集・運搬するモノによって、「貨物」なら運送業、「産業廃棄物」なら産業廃棄物収集運搬業が扱うことになります。

「貨物」と「産業廃棄物」の区別が難しいと感じることもあるでしょうが、実際、「貨物」に関する法令の明確な定義はありません。

ただ、「産業廃棄物」については次のように産業物処理法で定義されています。

“産業廃棄物とは、「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻・汚泥・廃油・廃アルカリ・廃プラスチック類・その他政令で定める廃棄物」のこと”

そのため「貨物」は生活に必要なものであるのに対し、「産業廃棄物」は生活には必要のないものが該当すると考えられるでしょう。