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国際物流では船が転覆するなど考えられるリスクにどのように備えるべきか

2019.12.11
分類:リスク

近年、海外進出する企業が増えたことで、経済はグローバル化している傾向がみられますが、物流においても商品の調達、配送、販売においてその経路が複雑になっているといえます。

企業の調達先や量の決定が大きな問題となり、さらに海外でも事故や災害が増えていることから、仮に船が転覆して物資が不着という結果に至れば、機会損失などが発生することになってしまうでしょう。

海外との取引だからこそ発生するリスク

そもそも物を運ぶ上では、事故や災害などで商品が遅延することは頻度が多く発生するリスクです。

天候不良や渋滞などで、商品の遅れや届かないということになれば、本来売れたはずの機会を失うことになるでしょうし、海外ならテロや戦争などで遅延が発生する確率が増えます。

海外に取引先があり、顧客と貿易や物流を行うのなら、国際物流特有のリスクについて把握しておかなければなりません。

国際物流特有のリスクとは

輸出出荷計画など貿易書類を作成しなければなりませんし、輸出入の通関手続きも必要です。手続きが煩雑になることで時間もかかり、それに加え輸送が遅延するリスクも抱えています。さらに梱包をしっかり頑丈にしておかなければ、国内物流より雑に扱われる可能性もありますし、長距離の移動で破損するリスクが高くなってしまいます。

日本から遠い国なら時差もあるので、商品は届いているのに連絡が入るまで時間がかかることもあると考えておくべきです。

 

様々なアクシデントがツキモノの国際物流

国際物流では海外から商品を輸入するときの時間が非常に長いので、船舶の定期便であれば週に12回しか出ないのです。

北米から日本に船舶輸送する場合であれば数週間はかかってしまい、商品発注から国内に届くまで1か月以上かかることはめずらしくないことです。

そして運送の期間が長いということは、運送中の天候やエンジントラブル、災害や政治的問題の発生なども考えられますし、ソマリア海域を通る場合は海賊に襲来される危険性も考慮しておくべきです。

天候によって船が転覆することも考えられますので、これらのアクシデントに見舞われてしまった状況で在庫がなくなれば、損失を増やすことになってしまうでしょう。

 

国際物流では余分に在庫を確保しておいたほうがよい

物流の導線が長くアクシデント発生の確率も低くないことを考慮し、国際物流では在庫を余分に確保しておくことが必要になります。

ただ、過剰な在庫は損失を招きますし、余分に在庫を抱えればその分、コストは余計にかかってしまうのです。ただ、万一のリスクに備えるという上で回避できない部分であると理解しておいたほうがよいでしょう。