運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送の「BtoC」ビジネスとは?ラストワンマイル物流と企業間物流の違い

2022.08.05
分類:その他

もともと「BtoC」という言葉は、「Business」と「Consumer」の頭文字を取って省略した用語であり、企業と一般消費者の間で行う電子商取引の1つの形態を意味する言葉とされています。

企業間取引を「BtoB」といいますが、取引相手が消費者である小売りを意味しており、インターネット上で行われるオンラインによる商品やサービスや物品の販売を示しています。

BtoC」ビジネスは、一定の個人ではなく不特定多数の消費者と取引することが大きな特徴であり、ネット上の取引に限らず、たとえばコンビニやスーパー、飲食店や小売業など様々な業種が「BtoC」ビジネスに該当します。

ラストワンマイル物流と企業間物流の違い

消費者と直接取引しない企業間取引を「BtoB」といいますが、ECにおける物流は「BtoC」による「ラストワンマイル」と呼ばれる物流です。

そこで、「BtoC」物流である「ラストワンマイル」物流と、「BtoB」物流である企業間物流の違いを説明していきます。

主な違いは、

・稼働日の違い

・求められるサービスレベルの違い

2つです。

稼働日の違い

BtoB」の場合、日曜祝日は稼働せず、土曜は平日の半分の出力で稼働したとしても、サービスレベルが大きく毀損されることはないでしょう。

しかし「BtoC」の場合、土日祝日は稼働しないという選択肢はなく、365日稼働することが必要です。

求められるサービスレベルの違い

BtoC」の場合、商品を直接消費者に届けることになるため、「BtoB」よりも梱包の品質を保つことが重要です。

また、配送領域についても「BtoC」の場合「BtoB」よりも届け先は分散され、土日祝日や夜間で配達業務に占める割合が高くなることが多いため、配達エリアと時間帯などでハードルが高くなります。

 

BtoCの配達では物量が重要

Amazonなどのように「BtoC」の物流インフラを構築後、「BtoB」の物量を増加させるのなら、全体のサービスレベルは簡易となり業務の効率も低下しないでしょう。

しかし「BtoB」の物流インフラを前提に「BtoC」の物量を加えてしまうと、インフラ全体の効率は確実に悪くなってしまいます。

BtoC」で行う配達では、配達密度がとても大切といえます。

 

BtoB」から「BtoC」へ進出する企業も増加

最近では、EC市場の拡大から、メーカーから消費者に向けた直販ビジネスが行われるようになっていることや、メーカー直営店舗なども展開されているため、「BtoB」から「BtoC」への進出が活発化しているといえます。

ただ、メーカーが消費者に直接販売を行ってしまうと、メーカーの主要顧客となる卸売業者や小売業者と競合する関係となるため、仮にメーカーが直販ビジネスに乗り出すときには流通業と競合関係にならない商品の差別化を図るといった配慮も行われているようです。