2020年2月、スーパーやドラッグストアからトイレットペーパーが姿を消したことで物流業界も振り回される結果となりましたが、これは新型コロナウイルス感染症の拡大が影響しています。
そこで、なぜこのような失態が起きる事態となったのか、物流を混乱させた理由についてご説明します。
中国からの輸入に頼っていたマスクが手に入りにくくなったことは納得できる事実ですが、同時にSNS上でトイレットペーパーも中国から輸入されているというデマが広まり、売店から姿を消すこととなったのです。
このデマが広まったことにより、何度もトイレットペーパーを運ばなければならないドライバーも増えました。
ドライバー自身がSNS上にトイレットペーパーはなくならないことや、在庫が十分倉庫にあることを訴え続ける姿も見られましたが、これは物流の混乱がドライバーにそのまま大きな負担となり跳ね返ってくることにあります。
日本の貨物輸送の9割以上をトラックが担っていますが、ドライバーは人手不足である中で、定期便として輸送ルートが事前に決められています。
その状況でデマ情報が拡散すると、トラック物流は大きな混乱を招いてしまい、トラックや商品は多くあるのに運ぶドライバーがおらず物流を簡単に止めてしまう状況を作り上げてしまうのです。
同じ運送業でも、イベントで使用する機材などを運ぶドライバーや、中国など海外からのコンテナを運ぶトレーラーなどのドライバーなどは仕事が減少しています。
トラックドライバーは日給月給での給与体系のため、仕事がなくなれば休日となり、収入も減少してしまいます。
その一方で、企業のテレワーク導入や学校休校、外出自粛要請などが影響し、宅配業務は忙しくなっている状況です。
特に生活インフラのための備蓄品はインターネット通販でも売れ行きが好調で、書籍やゲーム機器・ソフト、トレーニングマシーンなどの家庭用ジム用品なども運ぶ荷物として多いようです。
家庭用の冷凍食品などは大きく動いているようですが、レストランなど業者向けの冷凍食品は5~6割減少しているともいわれています。
今後、さらに外出自粛が継続すれば荷量はもっと増えることとなり、配達遅延や物流がパンクしてしまうのではないか?と不安視する声も聴かれているようです。
先が見えない不安でデマを拡散すれば、不要な買いだめまで行うことになるだけでなく、物流に混乱を招くことになると認識してもらうことが必要といえるでしょう。