物流の機能のうち、輸送・配送と同じく中核的な機能である保管と荷役。
保管は一般的に日常生活においても使われる言葉のため、物流の機能としてもどのような形になるのかイメージしやすいかもしれません。
しかし荷役(にやく)とは何なのか、その意味や役割がよくわからないという場合もあるでしょう。
そこで、保管と荷役は何が違うのか、それぞれの意味や役割をご説明します。
まず「保管」とは、時間差を埋めて安定した供給を市場に行うために必要なことです。物流センターや倉庫などで商品の状態を維持したままなくなさいように置いておきます。品質はそのまま、商品の価値も継続させることが重要です。
特に鮮魚、果物や野菜などは傷みやすいですが、冷蔵や冷凍倉庫ができたことで保管における機能も向上しています。
その一方で「荷役」とは、物流センターや倉庫で荷物の運搬活動のすべてを指した言葉です。
たとえば物流センターや倉庫で行う荷物の積み下ろし作業、運搬、入出庫、ピッキング、仕分けなど、多岐に渡る作業すべてをあらわしています。
主には、荷揃え、棚卸し(積み分け)、運搬、保管(棚入れ)、仕分け、集荷(ピッキングなど)という種類に分けられますが、いずれも品質保持や生産性に影響を及ぼす部分のため気を抜けません。
在庫数や種類、品質などの確認を行う作業が棚卸しで、どのくらい在庫が残っているのかその金額を確かめることによって正確に利益を把握することが可能です。
ただ、物流センターや倉庫のように規模の大きな場所のすべての在庫を一度に確認しようとすると、労力や時間、コストが膨大にかかってしまうでしょう。
そこで、日々の業務の中で入出庫管理をしっかり行うことにより、棚卸しの負担を大幅に軽減することが可能となります。
商品を品種や出荷先ごとに分ける作業を仕分けといいますが、人が行う手仕分けと、機械が行う自動仕分けがあります。
入荷したときと同じく、出荷するときにも間違いがないか検品することが必要です。
出荷検品では、受注内容に合わせた出荷指示書を作成し、それに従って必要な品物を集めるピッキングを行います。
その後、流通加工を行って再度検品し、包装して出荷することが物流の一連の流れとなります。