運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

冷凍車という運送トラックの特徴と冷蔵車・保冷車との違い

2021.04.23
分類:その他

運送トラックの中でも冷凍車は、冷凍食品や生鮮食品など温度管理を必要とする積荷を運搬することが特徴です。荷台部分は冷却機能が備わっているため、氷点下まで保管温度を下げることができます。

そこで、冷凍車の特徴と、冷蔵車や保冷車とは何が違うのかご説明します。

冷凍車の種類

冷凍車にも種類があり、保管温度によって中温車と低温車に分けることができます。

中温車の場合はマイナス5度前後まで冷却可能なため、鮮魚や精肉などを運ぶときに用いられています。

それに対し低温車になるとマイナス25度前後まで冷却できるため、冷凍食品やアイスクリームの他、傷みやすいマグロやカツオなどの鮮魚を運ぶのに適しているといえます。

 

冷蔵車や保冷車と何が違う?

荷台部分に積荷の温度を保つ機能が備わっているトラックは、冷凍車以外にも冷蔵車があり、保冷車と呼ばれるトラックなども温度を保つトラックとされています。

ただし冷蔵車の場合、荷台部分に冷却機能は備わっているものの、保管温度が冷凍車より高めで5℃前後までしか下がりません。そのため野菜や果物、乳製品、薬品、植物などを運ぶときに使われることが特徴です。

保冷車になると荷台部分には冷却機能が備わっておらず、荷台の断熱構造で一定時間、積荷の温度を保つ仕組みになっています。冷凍・冷蔵を必要とする生鮮食料品や要冷食品などを短距離で運ぶときに主に利用されます。

 

冷凍車は冷却方式にも種類がある

冷凍車の荷台部分の冷却方式にも種類があり、機械式・窒素式・蓄冷式に分けることができます。冷凍車として利用されているトラックの多くは機械式ですが、運送頻度の高い積荷の種類に合わせ冷却方式を選んでいくことが必要です。

機械式の場合、荷台部分の温度調整が容易にできるたけ、冷凍輸送を必要とする積荷全般で対応できます。クーラーと仕組みで荷台の温度を調整することとなり、コンプレッサー・コンデンサー・エバポレーター・ターボファン・コントローラーなどの機能が備わっています。

動力は冷却専用のエンジンを使うこともあれば、車両のエンジンを使用することもあります。保冷時間に制限がなく、調整しやすいことがメリットです。

窒素式は液体窒素を使って荷台部分の温度を下げる仕組みになっており、冷却に沸点マイナス196℃の液体窒素を使用することとなり、マイナス40℃まで下げることができます。

蓄冷式で冷却可能となるのは約8時間なので、短距離で頻繁に積荷の積み下ろしがあるときに使用するとよいでしょう。

夜間や配送しない時間帯に、電力で冷凍機を稼動し冷凍板を凍結させておき、そこからの冷気で庫内を一定温度に保つ仕組みになっています。エンジンを切っても荷台部分の温度が急激に下がらないのはメリットといえます。