運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業界の中で個人が利用できる宅配便とはどのようなサービス?

2019.11.24
分類:その他

運送業界の中でも宅配便とは、比較的小さめの荷物を荷主の戸口から届け先の戸口まで配送する輸送便のことを指し、路線トラック事業の中でも特別積合せ事業の一形態です。

迅速に配達を行うことが特徴である宅配便ですが、大まかにどのようなシステムで荷物が届けられることになるのか確認しておきましょう。

宅配便による荷物の流れ

まず、荷主が発送して欲しいと依頼する荷物は、コンビニエンスストアなどの発送窓口や依頼者から集荷され、宅配便事業者の配送車両で営業所に運ばれます。また、営業所に荷主が荷物を直接持ち込み、発送を依頼するということもあります。

いずれにしても営業所に荷物が集まることになりますが、そこから複数の営業所を統轄するトラックターミナルまで輸送され、どこに発送するのか、届けるまで急ぐのかなどによりそれぞれの輸送手段に振り分けられます。

振り分けられた貨物の行方

貨物が振り分けられると、向かう方面ごとにロールパレット単位で集約され、渋滞を回避するために深夜の時間帯を利用して長距離大型トラックで運搬されることになります。

ケースによっては途中区間に鉄道コンテナやフェリー、飛行機といった方法が用いられることもあります。

路線トラックと呼ばれることも

長距離大型トラックの場合、出発点となるトラックターミナル、途中で立ち寄るトラックターミナル、到着するトラックターミナルなどが決まっており、運行計画に基づいた計画的輸送が行われるので、路線トラックといった呼ばれ方もされています。

この路線トラックによって、荷物が配送先に近い区域のトラックターミナルに着くと、今度は配送先を管轄する営業所ごとに荷物が振り分けられ、再度、それぞれ配達を担当する営業所までトラックにより運搬されます。

配達を担当する営業所が荷物を受け取ると、届け先住所や配達希望時間帯などにより荷物を分け、配送車両などで届け先まで届けられることになるという流れです。

 

運送業界で宅配便が始まったきっかけ

荷物は届け先の家の出入口である戸口まで届けられることになりますが、戸口以外で受け取る場合は住所などを確認するため身分証明が必要になります。

そもそも宅配というサービスが生まれる前までは、個人がトラック運送で配達してもらうことを依頼することは困難でした。

そのため郵便小包やJRの駅で発送事業に依頼するなど、一部のみで提供されている配達のサービスに頼るしかなかったのです。

しかしヤマト運輸が個人でも利用可能とする「宅急便」を始めたことで、その他の運送会社でも個人向けの宅配サービスが始まったとされています。