運送業でも福利厚生の一環として、従業員に「慶弔休暇」が取得できるような制度を定めていることもあるでしょう。
慶事や弔事の際には安心して休みを取ることができるため、福利厚生を充実させるためにも導入しておきたい特別休暇制度といえますが、気になるのは取得した際に有給と無給のどちらの扱いになるかです。
そこで、運送業は慶弔休暇を取得しやすいのか、制度として導入した場合の有給・無給の扱いについて解説していきます。
「慶弔休暇」とは、「慶事」や「弔事」などで特別に取得できる休暇です。
特別休暇と呼ぶ場合もあり、祝い事や不幸などで仕事を休むときには慶弔休暇が制度として設けられているか確認し、取得なら申請することになります。
就業規則に慶弔休暇に関する定めがない場合、葬儀などで休暇を取ると欠勤扱いになりますが、実際のところ慶弔休暇を制度として導入している企業は9割といわれており、ほとんどの企業が対応しているといえます。
建設業によって、慶弔休暇だけでなく、たとえば結婚祝い金や弔慰金など「慶弔見舞金」を制度として設け支給していることもあります。
慶弔見舞金とは、従業員やその家族の慶弔事に対し、祝い金や見舞金を支給する制度です。
労働の対価である賃金としてではなく支払われますが、会社に支払いに関する法的な義務はなく、特段の定めがなければ支給されないと理解しておきましょう。
慶弔休暇は法定外休暇の1つですが、そもそも従業員が取得できる休暇には次の2つがあります。
・法定休暇(法律で定められている休暇)
・法定外休暇(事業所独自で定めている休暇)
法定休暇は法律で定めれている休暇で、年次有給休暇・産前産後休暇・介護休暇なども含まれます。
これに対し法定外休暇は事業所独自が定める休暇であり、必ずしも取得できるわけではないことが特徴です。
慶弔休暇が制度として設けられている場合でも、取得中に賃金が発生するかは建設業により異なります。
対象となる範囲や取得可能日数、有給または無給の扱いについては就業規則で明記しておきます。
なお、慶弔休暇を制度として設けているものの、取得においては無給扱いという場合、従業員は特に申請せず欠勤すればよいと考えてしまうこともあるでしょう。
しかし制度を使って正当に休暇を取得することと、欠勤とではその後の昇給・昇進・賞与などの評価にも影響する可能性があるため、申請してもらうことが必要です。