「貨物利用運送事業」とは他者から運送依頼を受け、自らが運送責任を負い運賃・料金を受け取り、他のトラック・船舶・航空・鉄道などの実運送事業者を利用する貨物運送のことです。
トラックに限定すると、「一般貨物自動車運送事業者」または「特定貨物自動車運送事業者」を利用する貨物運送が法規制の対象になりますが、「貨物軽自動車運送事業者」だけを使う貨物運送は法規制の対象にはなりません。
そこで、「貨物利用運送事業」を開始するときに必要な手続について解説していきます。
「貨物利用運送事業」は、
・第一種貨物利用運送事業
・第二種貨物利用運送事業
の2種類に分けることができます。
「第一種貨物利用運送事業」は、トラック・船舶・航空・鉄道のいずれかを輸送手段として利用する運送事業で、「第二種貨物利用運送事業」は、船舶・航空・鉄道など幹線輸送にかかわる利用運送と先行・後続するトラックによる集荷・配達を一貫し行う事業です。
貨物利用運送事業を行うときに必要な事業開始手続は、主に次の3つです。
・第一種貨物利用運送事業の登録申請
・第二種貨物利用運送事業の許可申請
・トラック実運送事業の事業計画変更認可申請(新しくトラック実運送事業許可を取得するときには経営許可申請)
注意したいのは、「第一種貨物利用運送事業」として登録したくても拒否されてしまうケースです。
「第一種貨物利用運送事業」としてトラックを登録したくても、申請者が次の拒否要件に該当するときには登録できないため注意しましょう。
拒否対象となる要件は以下のとおりです。
・1年以上の懲役、または禁錮の刑に処せられ、その執行を終わりまたは執行を受けることがなくなった日から2年を経過していない方
・第一種貨物利用運送事業の登録または第二種貨物利用運送事業の許可を取消されており、許可が取り消された日から2年を経過していない方
・申請前2年以内に貨物利用運送事業に関して不正な行為をした方
・法人の場合、役員(または役員と同等以上の職権または支配力を有する方)の中に、上記のいずれかに該当する方がいる場合
・第一種貨物利用運送事業に必要とされる施設を有していない方
・第一種貨物利用運送事業を遂行するため必要とされる財産的基礎を有していない方