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運送業者が貨物の補償を得るには保険での備えが必要?

2017.01.26
分類:その他

荷主から貨物(荷物)を預かり、その貨物に損害や損壊を与えてしまったら、損害賠償責任を負うことになってしまいます。
そのような場合に備えて、運送業者では賠償責任を補償するための保険に加入して備える必要があります。


運送業者貨物賠償保険とは?
運送業者貨物賠償保険は、運送業者が自身のリスクに備えるために加入する保険です。
運送を引き受けた貨物(荷物)に生じた損害や損壊に対して、運送業者が荷主や元請運送会社に対しての賠償責任を補償する保険です。
ただし物保険ではなく賠償責任保険のため、一般的な運送保険とは異なっています。


運送業者が負う賠償責任とは?
保証の対象になる賠償責任とはどのような状況を示すのかを理解しておきましょう。
法律上の賠償責任とは、運送業者が貨物の運送に対して注意を怠ったことで貨物に損害を与えてしまった場合の荷主に対する賠償責任です。
そして契約上の賠償責任とは、運送業者と荷主の間で締結している運送契約に基づいての賠償責任です。


運送業者貨物賠償保険で補償されるケース
保険が適用されるのは運送業務中、例えば輸送中(走行、積込み、荷卸し中、車上仮置中など)、保管中(梱包や開梱作業、タグ貼り、他流通加工中など)で破損や盗難、水濡れ、火災、爆発、衝突、転覆、横転などで貨物に発生した損害や損壊についての賠償責任を補償します。


あると便利な付帯できる特約とは?
運送業者貨物賠償保険には次のように付帯することができる特約があります。

・残存物取片付け費用
事故後、受損貨物の処理に伴い必要となる残存物取片付け費用、廃棄費用を補償します。
※1事故につき200万円を限度に、実際にかかった費用をお支払いします。

・その他費用検査などの費用
事故が起きた後に、貨物の損傷の有無を確認するため必要な検査、仕分、再梱包の費用を補償します。
また、貨物の輸送中に事故が発生し、貨物を積み替えて輸送するために必要な荷卸費用や一時的な保管費用、再積込費用、代車費用を補償します。
他にも受損貨物の代替品の緊急調達や緊急輸送で使った費用が出る特約や、特定危険に関する特約、荷役作業中に通行人にケガを負わせてしまった場合などの第三者に対する賠償責任を補償する特約があります。


貨物に対する補償の確保を
運送業務中、受託貨物に生じた物的な損害に対する賠償責任を補償する保険が運送業者貨物賠償保険です。
その対象はすべての業務、もしくは一部の業務に限定することが可能です。取扱う貨物や輸送の状況に合わせて補償を確保することができますし、賠償責任を負うことになれば多額の損失を被ることにもなりかねません。
運送業者に合った保険で備えておくことが重要です。