運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

従業員のためにも!運送や物流に係る保険とは?

2017.01.27
分類:その他

運送や物流に係る製造業や卸売業が抱えるリスクには、建物や備品什器、商品といった物的な財物が損害を受けてしまうリスク、災害や事故が発生したことで営業が継続できなくなるリスク、業務や商品に起因して生じた事故により他者に損害を負わせることによる賠償責任を負うリスク、自動車の所有や管理・使用などに起因して生じた事故により賠償責任を負うリスク、そして経営者や従業員がケガや病気で働けなくなることや亡くなってしまい企業が損害を受けるリスクがあります。

従業員を守るため、そして雇用トラブルに会社として備えるために、それに伴う保険への加入も検討する必要があります。業務上の災害などに対応できる保険への加入を検討するようにしましょう。


雇用トラブルは多発?
労働審判など、紛争解決手段が多様化したことで雇用問題を取り扱う弁護士も増えました。そのため労働紛争は増加傾向にあります。
労働紛争の相談内容の中でも、いやがらせやいじめの問題が多くあがっており、人間関係によるもめ事による紛争が問題になっています。そのような不当行為が業務執行の上のものだと判断されれば、責任を問われるのは会社です。


メンタルヘルス問題も増加
労災認定の件数で年々増加しているのは精神障害です。労働関係法令が改定されたことにより、事業者は労務管理を厳格にするように求められています。


業務災害補償保険とは?
従業員などが業務中や通退勤中にケガを負った場合、また、業務中に熱中症を発症した場合、従業員に対しての賠償責任など、色々な業務上の災害でのリスクを補償する保険が業務災害補償保険です。
オプションで特約を付帯することもできますので災害補償制度などに合わせて補償を確保することが可能です。


業務災害補償保険への加入方法は?
従業員等の業務上の災害で被る費用の支出や損害賠償リスクを幅広く補償してくれる保険です。
契約方式は大きく売上高方式と人数方式の2つに分けられています。
保険会社によって異なりますが、人数方式は、さらに在籍者数、労働日数、労働時間、最大稼働人数などの4つに分けられる保険会社もあります。
日本国内に所在する法人や個人事業主の事業者であれば契約の対象です。売上高方式の場合には売上高50億円以下であることが条件になります。

・売上高方式なら経営事項審査の加点対象にもなる
売上高方式の場合は、経営事項審査の審査項目の1つ「法定外労働災害補償制度の加入」に該当しますので15ポイントの加点評価を得ることができます。
また、人数方式でも加点対象になることがありますので詳細については保険代理店か保険会社などに問い合わせてみるようにしましょう。


賠償責任問題が起きた時のためにも
従業員の業務上の災害について、政府労災の認定とは別に保険金が支払われます。様々なリスクについて補償されますので、加入を検討しておくと良いでしょう。