運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業が理解しておきたいクレーン作業のリスクアセスメント

2017.04.15
分類:その他

運送業の中には、事業内容によってクレーン付トラックを使う事業所もあると思います。
その場合にはクレーンを安全に使っていけるように、リスクアセスメントという考え方を用いりながらリスクへの対策を講じていくことが必要です。
基本事項を整理し、クレーンを使用する段階で行うべき取り組みを設備管理などから考えていきましょう。


リスクアセスメントとは何を実施すること?
リスクは、事故発生確率を事故影響度で乗じたものです。事故が起きた場合の損失の大きさ、そして事故の発生しやすさを組み合わせて考えます。
そしてリスクアセスメントは発生する可能性のある要因を洗い出し、それぞれどの程度のリスクがあるかを見積もっていきます。
許容できないリスクは個別に対応措置を行いながら、リスクを低減できる取り組みを進めていくことになります。


リスクアセスメントに欠かせないメンテナンス
クレーンだけでなく、設備は稼動していき月日が経つにつれてだんだんと劣化していきます。
設備が劣化することが進んでいくと、故障だけでなく事故に繋がる可能性もありますので定期的なメンテナンスは欠かせません。
予期せぬ事故を起点として、劣化度を定期的に測定しながら時間軸上で管理していきます。事故の発生確率は想定できる範囲の値以下までに抑えていくことが必要だと言えるでしょう。


具体的なメンテナンスの方法とは?
メンテナンスの種類には、日常保全、点検(劣化評価)、補修があります。日常保全は給油脂や清掃、調整など、正常に運転するための作業です。
日常保全はこまめに行う必要があり、怠ると部品が異常劣化するなど故障の原因になります。
日常保全をしっかり行っていても、劣化による故障などは起こりますので定期的に点検(劣化評価)を行うことで、部品の機能が喪失する前に交換や補修といった対応が可能となるでしょう。


点検する日と項目を明確にする
クレーンの場合、リスクアセスメントは現場だけでなく事業所の関係部門も連携して行いましょう。
クレーンを安全に運用するための課題を共有化し、一緒に対策に取り組んでいくことが大切です。
点検や検査も、日、月、年など、どの単位で定期的に行うかを決めて、確実に実施していくことが必要です。
そのためにも点検や検査を行った日や項目、判断基準なども記録していくようにしましょう。


リスクという概念で管理していくことが必要
点検や評価項目については、対象となる部品や測定した記録などを定型フォーマットしてしまいカルテとして保管しておきましょう。保管したカルテをベースにすることで保全業務の基盤が完成します。
クレーンはいつ劣化して亀裂が発生するのかなど、決定論的に特定することはできません。そのためリスクという概念から管理を行い、クレーンにかかわる事故を防止していくことが必要です。