運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業界でも把握しておきたい貨物・運送の保険とは?

2021.02.10
分類:その他
日本は四方を海で囲まれている特徴も手伝い、船や飛行機などを使い様々な貿易貨物が世界各国を行き来しています。 もちろん日本国内でも運送業界などが活躍しており、いろいろな貨物がトラックや鉄道、船、航空機などを使い運ばれています。 ただ注意したいのは、いずれも事故や火災、水の浸入、荷崩れ、積込・荷卸時の貨物破損、盗難といった様々なリスクにさらされた状態であることです。 そのリスクによる損害に備えるため、貿易や物流を営む事業の安全・安定を確保するために必要とされるのが貨物保険といえます。

貨物・運送の保険にも種類がある

貨物・運送の保険は1つではなく、輸送される場所によって外航貨物海上保険・内航貨物海上保険・運送保険に分けることができます。 この中でも「外航貨物海上保険」は国際間輸送の貨物を対象としており、国際貿易での商取引を円滑・安全に行う機能として必要不可欠な制度です。

外航貨物海上保険の手配が必要に

日本国内での取引ではなく、他国の遠隔地との取引(貿易売買)では、商品の引渡し場所や船舶の手配や保険の手配は売主と買主どちらが行うかなど、事前に売買を行う売主と買主が取り決めておかなければなりません。 これらを折り込む標準的な貿易取引条件に関してのルールも定められていますが、貿易取引条件に関するルールで多く使用されている国際商業会議所のインコタームズでは次の取引条件が定められています。 ・貿易取引条件がFOB条件の場合…売主:「船積み原価」で売る 買主:本船と保険の手配を行う ・貿易取引条件がCFR条件の場合…売主:本船を手配し「船積み原価+運賃」で売る 買主:保険の手配を行う ・貿易取引条件がCIF条件の場合…売主:本船、保険を手配し「船積み原価+運賃+保険料」で売る 買主:本船と保険の手配は行わない 国際商業会議所のインコタームズの標準的取引条件からもわかるとおり、売主または買主が貿易取引条件に従い、外航貨物海上保険の手配をしておくことが必要とされています。

信用状において保険条件が指定

貿易取引での代金決済をスムーズに行う方法として、買主の取引銀行が信用状を発行する信用状取引が挙げられます。 売買契約がCIF条件などであれば、信用状で船積み書類の一つに保険証券を提出するように求められることとなり、加入する保険の条件も信用状で指定されることとなります。 売主は信用状の修正を行わないのであれば、信用状で指示されたとおり外航貨物海上保険を手配しなければなりません。