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運送企業グループ内で中核企業が連結手続を進める方法

2022.07.14
分類:経営

高い技術力や成長性を持ち、地域内取引や雇用拡大など、地域の経済効果に大きな影響があり地域経済を牽引する企業を「中核企業」といいます。

たとえば経済産業省の地域未来牽引企業などが中核企業として挙げられますが、運送企業グループ内で中核企業が連結手続を進めるときには、どのような方法があるのか説明していきます。

企業グループ内における中核企業の連結手続方法は2

近年、企業が合併・買収するといった経営統合する数や規模は増えているといえますが、これまでも複数事業を営んでいる企業グループは数多く存在しており、そこには事業を担う中核企業が存在します。

中核企業の中には株式公開しているケースも多く、グローバル展開するときにその地域で地域統括会社を立ち上げてきた企業グループも少なくありません。

これら中核企業や地域統括会社などの中間会社は、グループ内では1つの経営単位として成立しており、取引関係もある中間会社傘下でまとまっていることが特徴です。

では、中間会社が存在している企業グループで、グループ全体の連結財務諸表を作成するときには次の2つの方法に分けることができます。

・中間会社でまずは連結決算を行った結果を用いて親会社の連結決算を行う

・中間会社と親会社がそれぞれ連結決算を行う

どちらの方法もそれぞれの企業で採用されていますが、中間会社でまず先に連結決算を行う方法の場合、中間会社自身が認識する連結の結果とグループ全体の結果のうち、中間会社部分のデータの整合性は確保できるものの、親会社は中間会社の業務終了を待たなければなりません。

中間会社と親会社のそれぞれが連結決算する場合には、どちらも並行して連結決算を進めていくことができますが、グループ全体の作業に重複部分が発生するなど、中間会社自身が認識する連結の結果とグループ全体の結果のうち中間会社部分が相違する可能性が高くなります。

 

どちらの方法を使った手続が正しい?

中間会社が存在する企業グループ全体の連結財務諸表を作成するとき、中間会社でまずは連結決算を行い、その結果を用いて親会社の連結決算を行うのか、最初から中間会社と親会社それぞれで連結決算を行うのか迷うこともあるでしょう。

この2つの方法のどちらかが正しいということはなく、各社の事情によって最適といえる方法が採用されることが多いといえます。

経営管理も含めて考えれば、先に中間会社の連結決算を行うほうがよいともいえますが、状況や事情に合った方法を選ぶべきといえるでしょう。