災害のときや農業などの産業で、幅広く活用されることが多くなった「ドローン」は、運送業でも注目されている輸送手段です。
もしも国内で「ドローン物流」によるサービスが一般的になれば、スピーディに過疎化が進むエリアなどにも荷物を簡単に運ぶことができるようになります。
すでに「ドローン物流」の実現に向けて、大手企業などが取り組みを始めていますが、運送業にも影響することが予想されます。
そこで、「ドローン物流」の仕組みについて、詳しく説明していきます。
運送・物流業界が今悩んでいることのきっかけは、インターネットを使ったオンライン通販利用者が急増したことです。
不在などによる行き違いで、再配達や時間指定配送が増え、時間と労力にロスが生じています。
物流量も増加傾向にあるため、慢性化する交通渋滞に荷物を運ぶトラックが巻き込まれれば、時間通りの配達ができないといった問題も起きてしまうでしょう。
トラックの台数が増えれば、二酸化炭素排出量削減にはつながらず、環境へ悪影響を及ぼすといったことも問題です。
そもそも荷物の量に対するドライバー数が足りておらず、現在働くドライバーも高齢化が進み、今後の労働力不足が問題視されています。
すでに2022年からのドローン物流実現に向けて、各地で実証実験はスタートしています。
産業用ドローンの市場規模も成長が期待されていますが、やはりドローン市場を牽引するのはサービス分野と考えられます。
ドローン物流もサービス分野の1つですが、政府もドローン活用による荷物配送を実現するように、現在取り組みを進めています。
過疎地からサービスを導入し、最終的には都心部や市街地への拡大が予定されていますが、すでに楽天やAmazonではドローン配送の実証実験が重ねて行われている状況です。
ドローン物流が実現すれば、過疎地などでも気軽に荷物の配送依頼ができるようになります。
しかし実現しないその背景には、ドローンが精密機器や重量のあるものを運ぶことができないからです。
ただ、ドローンの弱点を補うハードウェアとソフトウェアの技術を駆使した最新技術も注目されているため、安全・正確に目標地点に飛ばすことがいずれ実現できるでしょう。
ドローン物流が実現することには、主に次のようなメリットがあります。
・交通渋滞を緩和できる
・荷物を今よりもはやく届けることができる
・運搬コストを抑えることができる
・人手不足を補うことができる
・過疎地や被災地に宅配が可能となる
・顧客と配達員との間のトラブルを防ぐことができる
ただ、ドローン物流導入には次のようなデメリットもリスクとして検討しておくことが必要です。
・ドローンの破損による墜落の可能性
・ドローン墜落で人に被害を及ぼす可能性
・ドローンと荷物が盗難される可能性
・運ぶことのできる荷物の重量に制限がある