運送・物流業界の物流には、業種や業態がいろいろありますが、その中でも「食品物流」は食べ物を扱うため「一般物」と異なる特殊な世界といえます。
そこで、「食品物流」の特徴や、どのような管理が必要になるのか説明していきます。
食品物流では、人が口にする食べ物を扱うため、一般物と異なる様々な管理が重要となります。
具体的には、次の3つについて徹底した管理が求められます。
・温度管理
・日付・時間管理
・コスト管理
それぞれの管理について説明していきます。
食品物流の特徴として、まず厳密な温度管理が必要であることです。
食品の保管や配送においては、たとえば生鮮食品やチルド食品など鮮度を維持することや、品質の劣化を防ぐ上で、最適な温度のもと配送・保管しなければなりません。
冷凍食品についても、温度管理ができていなければ商品を保つことができなくなってしまいます。
食品の温度管理は、常温・冷蔵・冷凍の3つの温度帯で管理されます。
さらに冷蔵・冷凍の管理温度帯は7段階に分けることができますが、車両や倉庫を含めた消費者に届くまでの過程すべてを同じ温度域で管理する「コールドチェーン」が食品物流の大きな特徴といえます。
食品物流の特徴の2つ目は、日付・時間の管理です。
日付は、新鮮な食品を消費者に届けるためのものであり、たとえば賞味期限や消費期限などがその例です。
メーカーの生産計画、卸売・小売業の発注計画などでも大きく影響する部分といえます。
時間の管理は、売上拡大とコスト削減に必要であり、鮮度を保つ上でも欠かせません。
製造から販売までの時間を短縮できるかたが、食品物流の特徴ともいえるでしょう。
食品物流の特徴の3つ目は、単価が安いものが多いことから、コスト管理がより重要ということです。
期限までが短い食品など、1日の販売量が限られる商品は、大量に仕入れ安く売ることはできません。
少量を仕入れ、高い頻度で配送しなければならず、適切な輸送手段を選び、製品特性に合った物流を提案するなどによるコスト管理が求められます。
食品物流のメリットとして挙げられるのは、温度や日付の厳格な管理により、商品の鮮度や品質を保つことができることといえます。
反対にデメリットとして挙げられることは、管理を徹底することが必要となるため、手間がかかるという点です。
食品を扱うため、一般的な物流よりも特異性があることを理解しなければならないといえるでしょう。