運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業で導入が進む?電子取引に求められることとは

2022.09.04
分類:経営

運送業でも、ITなど最新技術を導入する企業が増えつつありますが、電子取引の取引情報に係る電磁的記録は、これまでなら紙に印刷し保存する方法も認められていました。

しかし202211日以降の電子取引は、紙ではなく電磁的記録の保存が必要とされています。

たとえば請求書や領収書などをPDFファイルで電子メールを経由して受け取るときや、WEB上からダウンロードする場合などです。

紙に出力して保存する方法は認められないため、保存方法を間違わないように注意してください。

「電子取引」に該当する取引

電子取引とは、書面ではなく電子データによる取引の情報の記載事項すべてを指しています。

従来までであれば、電子取引で受け取った取引情報は書面に印刷し保存できました。

しかし令和3年度の改正により、この保存措置は廃止されており、電子データのままで保存することが義務付けられています。

この電子帳簿保存法による決まりは義務規定のため、事業規模に関係なくすべての事業者に適用されるため注意しましょう。

取引情報が電磁的記録の授受による場合、通信手段に関係なくすべて「電子取引」に該当します。

たとえば次のような取引が、電子取引に含まれるといえるでしょう。

EDI取引

・インターネットを使った取引

・電子メールを使って取引情報を授受する取引

・インターネット上に設けたサイトを通じて取引情報を授受する取引

 

帳簿書類の保存方法

納税者の国税関係帳簿書類の保存について、電磁的記録による保存が認められています。

従来までであれば、紙媒体による保存が必要でしたが、一定条件を満たせばスキャン文書など電子データで保存できます。

書面の帳簿書類や自社が発行した写しなども書面とデータのどちらで保存してもよいですが、税務署長の承認は不要されています。

スキャナ保存についても要件緩和によってデジタル化しやすくなったといえます。

その一方で電子取引については厳格なデータ保存が義務づけられ、従来のように書面に出力して保存することはできなくなりました。

 

電子取引のデータを保存するための要件

電子取引のデータ保存するための要件は以下のとおりです。

・保存場所 データ送信側の納税地・データ受信側の納税地

・保存期間 7年間(または10年保存)

・真実性の確保(タイムスタンプの付与や記録事項の訂正・削除防止)

・可視性の確保(関係書類の備付け・見読性の確保・検索機能の確保)