人の手ではほとんど操作を行わず、機械などが自動で仕事を行う装置のことをオートメーションといいますが、物流業界でもこの業務の自動化が検討されています。
そのきっかけとなったのは、物流業界が抱える問題の1つである人手不足です。多くの方たちがインターネットを使ってショッピングを楽しむようになった今、取扱量の増加で宅配便など物流分野は深刻な人手不足となっている状況といえます。
人手不足の深刻化が叫ばれる物流業界の現状を踏まえ、国はトラックの自動運転にドローンの活用など、人の手を必要としないし仕組みを使った取り組みを加速させている状況です。
物流や交通などはAIを使い、2030年までに完全無人の輸送や配送サービスを実現させることを検討しています。
すでに中国では無人ネット通販向けの物流倉庫が稼働している状況であり、ロボットを調整したり運用や保守を行ったりする人は常駐していますが、ピッキングや梱包、積み込みなどはロボットが行う流れです。
輸送にかかるコストは配達に対するコストの75%以上を占めていますので、荷物をまとめることでコストを大きく下げることは可能となります。大量に依頼することで割引交渉を行い、配送ルートを最適化すれば費用の削減も可能となるでしょう。
オートメーションの導入にかかるコストは膨大であっても、長期的に見れば不足する人力に変わるコストを下げた代替手段になるとも考えられます。
倉庫の荷物の積み下ろしはロボットアームを使い、自動運転ロボットや配達ドローンを使うことで、オートメーションを利用したラストマイルのコスト低減が可能です。
すでにオートメーション技術を利用しているアマゾンなどをみても、機械の導入は人の食を奪うのではなく、むしろ多くの雇用を生み出す可能性もあると考えられます。
アマゾンの物流センターにもたくさんの機械が導入され、当初は倉庫の完全な自動化で人の労働力をなくそうとしたのかもしれません。
しかし実際にはロボットを多く導入することで、事業が爆発的に成長することとなり、より多くの雇用が必要となっています。
特に人手を必要としているのは、荷物の仕分けと選別、パッケージ詰めなど、商品を発送する上で必要とする人力の作業であり、機械ではできない判断を必要とする部分の業務とされています。
オートメーションにより業務が効率化され、一時的に人手が必要ではなくなり人手不足を補うことができたとしても、そこから事業が成長すればまた人の手が必要になると理解しておくことが大切です。