運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

現在は運送・物流バブルといわれる時代?物流コストはインフレ状態か

2022.09.25
分類:経営

新型コロナウイルス感染拡大の影響や、ロシアのウクライナ侵攻など様々な要因が関係し、原油などエネルギー価格は高騰するだけでなく、さまざまな企業が値上げを発表しています。

生鮮食品など原材料のない商品などもありますが、どのようなモノでも需要に対する供給には物流が欠かせません。

そのため運送・物流バブルとなり、コストアップしてしまうことは多くの産業や企業に影響を及ぼすこととなるでしょう。

物流コストの上昇の程度

バブル経済が崩壊してから、トラックの運賃は微減傾向にあったといえますが、2014年頃からは上昇へと転じて物流コストがインフレを起こしている状態ともいえます。

企業の売上高で物流コストが占める割合も増えつつありますが、コストが上がった分を商品の価格値上げにつなげているとも考えられます。

しかし20244月以降は、猶予扱いだった時間外労働の上限規制がトラックドライバーにも適用されます。

労働時間が短くなるため、トラックを使った物量は減少し、運賃が上がる以外にこれまで運ぶことができていたモノも運ぶことができなくなるかもしれません。

 

物流部門以外から協力してもらうことが必要に

物流コストを削減するためには、工場担当や営業担当など、直接物流部門と関係のない部門から協力を得ることも必要です。

たとえばA工場からB工場に13回、トラック輸送を行っているとしましょう。

しかしトラックの積載率は3割を下回っているのなら、11回に変えることでトラック輸送コストは半分以下まで削減することが可能です。

時間指定を不要とする契約を獲得すれば賞与や手当が増えるルールを作れば、営業担当者の多くが時間指定のない納品の提案をはじめ、時間に縛られない運送が可能となります。

物流コストを減少させた分、業務効率化や社員の賃金に貢献できることで、より現場がスムーズに回りモチベーションや士気を高めることにもつなげることができるでしょう。

 

コスト競争力を武器にした経営

物流コストインフレの時代といわれる状態を放置していれば、物流コスト上昇で収益性を失ったり値上げしたりなどの対応が必要となります。

結果として企業は競争力を低下させ、事業継続が厳しい状態に追い込まれる可能性もあるでしょう。

生産・販売・物流まで、社内が全体で最適化していくことを検討し、コスト競争力を武器として戦える状態を作っていくべきといえます。