運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業は体力勝負?本当に厳しく過酷な労働環境の現場なのか解説

2023.02.04
分類:経営

運送業界は厳しく過酷な労働環境にある現場とイメージされがちですが、確かに体力勝負という部分もあるといえます。

しかし労働条件や環境を変えようとしている運送事業者も少なくないため、ひとくくりにはできません。

そこで、体力勝負といわれる運送業は、本当に厳しく過酷な労働環境の現場なのか解説していきます。

3Kと呼ばれることの多い運送業界

運送業界は、ハードな労働条件を形容する「3K」のイメージが強いといえます。

この「3K」とは、「きつい」「汚い」「危険」のイニシャル「K」を3つ合わせた造語ですが、運送業界の代名詞として使われることもあるほどです。

確かに運送ドライバーは夜通しトラックを走らせることもあり、シフト制などで出勤スケジュールは不規則です。

ゆっくり休暇も取りにくいと考えられることが多く、納期最優先となるため悪天候でもトラックを走らせなければならないこともあります。

体力だけでなく精神力も求められる仕事であり、けっして働きやすい業界とは言い切れない部分はあります。

運送業界の取り組むべき課題

そもそも運送業界が3Kと呼ばれる背景には、ドライバーが不足していることが挙げられます。

EC需要の拡大などで仕事数は増えても、ドライバー数は増えておらず、むしろ厳しい労働環境で辞めてしまうドライバーもいるほどです。

そのため既存ドライバー1人あたりの負担が大きく、残業や休日出勤などに頼らなければならない状況であるともいえるでしょう。

さらに正規雇用と非正規雇用では格差があり、給料に見合わない労働条件などで非正規雇用者が定着しにくい傾向が見られます。

運送業界の改革に向けた取り組み

このままでは廃業を余儀なくされる運送事業者も増えることが予想されるため、運送業界そのものの改革に向けた取り組みも行われています。

「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」では、荷主や行政などが名を連ね、ドライバーが賃上げなど交渉しやすい環境を作ることに役立っているといえるでしょう。

さらに「全日本トラック協会」では高校新卒者に対して準中型免許を取得するための支援助成金を出すことも行われました。

ドライバーの高齢化が問題となっている今、若返りを図るための取り組みといえます。

国土交通省も「トラガール推進プロジェクト」など女性が運送業界で働きやすい職場環境づくりを推進するなど、今後も様々な取り組みが進むと考えられます。