新型コロナウイルス感染拡大は、様々な業界に影響を及ぼすこととなりました。
たとえば飲食業界や旅行業界、エンタメ業界などがその例ですが、運送・物流もその1つです。
多くの業界が打撃を受け、長引く状況に疲弊しているともいえますが、運送・物流という人々の生活に欠かせない業界はコロナ禍で市場が縮小したのか、どのような状況の変化があったのか解説していきます。コロナ禍によって国内運送業界には、次のような変化があったといえます。
・ECサイト利用者の急増
・スーパーへの配送は鈍化
・コールドチェーン需要は拡大
市場の縮小などの変化も含め、それぞれ説明していきます。
2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大し始め、マスクや消毒用アルコールスプレーなどの物資が手に入りにくい状況が発生しました。
また、巣ごもり需要などの影響でECサイト利用者が急増し、欲しいときに欲しいものを運ぶ物流・運送業に対するニーズが広がったといえます。
コロナ禍の緊急事態宣言発令により、外出自粛などでネットショッピングの利用者が急増しました。
しかしそれに相反するように、スーパーなどを利用する人が減り、食品類などのスーパーへの配送や生活雑貨・衣類のデパートへの配送、輸入品の輸送などは時短営業や休業などで成長が鈍化したといえます。
また、2019年10月に消費税が増税されたことですでに荷動きは悪化しており、それに追い打ちをかけるように新型コロナウイルス感染症が流行したため、倉庫は回転率の低下で全国的に空きが不足した状態となりました。
食品などを冷蔵・冷凍したまま配送する物流方法をコールドチェーンといいますが、鮮度重視の肉・魚・野菜などの生鮮商品や、高い品質管理を求める医薬品・化学品などは、やはり巣ごもり需要の影響もあり需要拡大となりました。
コロナ禍でよりEC市場が拡大したこともあり、物流業界の慢性的な人手不足という課題は明確になりました。
しかし労働環境が悪く賃金も安い状態では、人手不足は解消できません。
ラストワンマイルの配送の複雑化により、運送ドライバーの負担はさらに大きくなっているといえますが、届けなければならないものは増えてもトラックが余った状態では課題を抱えたままとなります。
伝票の電子化や対面を避けることのできるオペレーション、リモートを活用した指示など、業務効率化も必要となっています。