「退職金規程」とは、福利厚生の一環として従業員に退職金を支給するときの指針であり、支給される金額や基準、時期や手続などについての決まりごとです。
運送業でも定年後などに退職金を支給する予定があるのなら規定として策定しておきたいといえますが、退職金規定の役割と必要性について解説していきます。
「退職金規程」とは、退職金制度を設けている雇用主が、従業員へ支給する退職金の金額・支給基準・支給時期・手続などを定めたものですが、法令上は定めておく義務はありません。
ただ、就業規則の一種であるため、定めておくことにより法的な拘束力を持つことができます。
そのため退職金規程では、次の事項を定めておくことが必要といえます。
・対象になる従業員の範囲
・金額の算定基準
・不支給・減額となる条件
・支給される時期
・死亡退職金に関する定め
・退職金制度の改定または廃止する場合の要件
退職金規定の役割は、従業員に退職金を支給する予定があるのなら定めておくべきといえますが、次の3つの役割があると考えられます。
・退職金を巡るトラブル防止
・社員のモチベーション維持
・税務調査への対応
それぞれの役割について説明します
退職金規定の役割として、退職金を巡るトラブルを防ぐことができることが挙げられます。
支給基準や手続など明確化することで、退職後に従業員から退職金を訴えられても、退職金支給の根拠を示すことができます。
また、勤続年数に応じて金額に差をつけたり自己都合退職で減額したり、懲戒解雇においては支払わないと決めることも可能です。
退職金規定の役割として、社員のモチベーションを維持・向上できることが挙げられます。
リタイア後の老後資金に関する不安を払しょくし、安心してセカンドステージを迎えるための勤労意欲を高めることにつながるといえるでしょう。
退職金制度は福利厚生の1つであり、優秀な人材確保や会社の発展にもつながることが期待できます。
退職金規定の役割は、税務調査へ対応するといったことも挙げられます。
会社経営において気になるのは、何年か一度行われる税務調査ですが、従業員に退職金を支給したタイミングで税務調査となったときでも、退職金規程があれば支給基準や金額などの説明をスムーズに行うことができます。