運送業界に限らず、情報技術の導入や活用はどの業界や業種でも検討が進んでいます。
日本は少子高齢化が進んでおり、人材不足は今後さらに深刻化すると考えられているため、業務効率化や生産性向上に向けたITやICT活用を進めていくことが求められます。
特に運送業では、長時間労働の是正や労働環境改善に向けて、情報技術などの導入を積極的に行うことが必要です。
そこで、情報技術の運送業への活用について、IT化とICT化の違いや必要性を簡単に紹介していきます。
IT化とは、日々の業務に情報技術を導入し、効率化することです。
通信情報技術の活用により、業務効率化や生産性向上を図ることを目的とします。
ICT化とは、インターネットなど情報通信技術を活用することで、コミュニケーションを促進させサービス開発や向上などに活かす取り組みです。
ビジネスでITを活用した経営戦略や、新たなプロセス導入、事業構造の再構築などを指すため、ICT化の中にIT化も含まれると考えられるでしょう。
運送業におけるIT化は、人手不足が深刻化している業界である以上、必要不可欠といえます。
先行きが不透明で人材確保の問題も解決の見通しが立たない中、事業継続に不安を感じる運送事業者も少なくありません。
人手が足りていない分、ドライバーや従業員一人ひとりの負担が重くなっている状況であるため、負担軽減の方法として検討されるべきなのが業務のIT化といえるでしょう。
運送業でも、業務効率化を目指してITツールを導入するべきです。
国土交通省も、トラック運送業の経営改善に役立つITツールのシステム・機能・内容など紹介するガイドブックを公開しています。
トラック運送事業者が使用しているITツールの代表とされるのは「デジタルタコグラフ」でしょう。
デジタルタコグラフとは、デジタル式運行記録計のことであり、時間・距離・速度・エンジン回転数・アイドリング時間などの運行情報を取得・記録できる車載機器です。
取得した情報から、運転日報・運転評価表・稼動実績などの帳票が自動作成され、データの蓄積・分析で経営管理や労務管理も可能となります。
ネットワーク型のタイプであれば、様々なツールと連携させ、より色々な使い方ができます。
リアルタイムでドアの開閉・荷室温度・眠気検知なども確認でき、ETCやGPSと連携させることで運行管理にも使えるため、活用することをおすすめします。