工場では「工場稼働率」が重視されることになりますが、この稼働率を左右するのは機械の動きだけでなく人の働き方も関係します。
そのため工場において従業員の働きがどのように工場稼働率に影響するのか、稼働率を上げることでどのようなメリットがあるのかご説明します。
工場稼働率は、工場で製品がどの程度効率的につくられているかをあらわします。
工場により稼働率の考え方は違ってくるものの、同じ時間でより多くのモノを生産していれば工場稼働率が高いといえるでしょう。
もし機械が故障してしまったり製造ラインが停止してしまったりという場合には、製造ラインで働いている従業員は勤務することができません。
その期間中、働くことのできない時間の給料や、故障により動かなくなった機械の修理代や維持費などは発生しますので、一定時間において人がどのくらい生産作業に従事できたのか、機械がどのくらい正常に動いたか生産能力を把握する上で重要となります。
給料や修理・維持費用は製品をつくるためのコストとして原価に含まれることになるので、一定時間に製造できる製品数が多いほど、1個当たりのコスト負担は抑えることとなり原価を下げることができます。
これらを知る上でも工場稼働率を知ることは大切ですし、高めていくことが求められるということです。
工場稼働率は、実際に生産した個数を本来生産可能とする個数である生産能力で割ると算出することができます。
この方法を生産基準といいますが、他にも実際に稼働した時間を稼働するべき時間で割って算出する時間基準という工場稼働率の計算方法もあります。
生産基準と時間基準の2つで計算を行い、比較することによって無駄が発生している部分はどこかより明確に知ることができるでしょう。
例えば受注生産の会社であれば、営業に力を入れ受注数を増やすことが求められますし、原因が工場にあるなら稼働率を改善させなければなりません。
その方法として、作業員の手待ち時間や生産に関係しない間接作業の時間を減少させることも必要です。
そのためには部品の欠品などでラインを停止させないため材料や在庫の管理を徹底させること、機械が故障しないように整備・清掃・点検を行うこと、段取りに時間がかからないように効率化させることが必要です。