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自社物流の実態を把握できている?中身を分析する方法とは

2020.06.12
分類:経営

中小の事業者の経営者の中で、自社の物流の実態などを細かく語ることができる方はどれほどいるでしょう。

仮にメーカーならモノづくりを本業としていますし、小売業なら販売が本業となるので、物流にまで意識が届きにくいことが理由として挙げられます。

しかし、物流こそ重要な項目といえ、モノづくりの作業効率や販売の成績なども大きく左右する部分であるといえます。

そこで、自社の物流実態をしっかりと把握し、どうすれば改善させることができるのか方向性を常時意識した経営を行うようにしましょう。

何を基準に自社物流の実態を知ればよい?

しかし自社の物流の実態を把握しようとしても、何を基準として確認すればよいのかわからないこともあるでしょう。

このような場合、KPI(重要経営管理指標)や売上高物流コスト比率などで自社物流の実態を知ることができます。

KPI(重要経営管理指標)

KPIは業績管理評価のための重要な指標とされ、組織の目標を達成する重要な業績評価の指標のことです。達成状況を定点観測すれば、目標を達成に組織のパフォーマンスが向かっているか、その動向を把握することができます。

売上高物流コスト比率

売上高物流コスト比率とは、物流コストを売上高で割って算出した比率です。日本は物流に関する関心が低く、物流コストの費目まで財務会計上で存在していないのが現状となっており、人件費や製造経費、営業経費などに含まれている中にも実は物流コストが存在するの点に注意しなければなりません。

海外の場合には、これらの費用は物流コストとして個別で把握されていますので、売上高物流コスト比率は日本より大きめです。

日本では一般的に5%程度、アメリカでは9%程度ですが、この数値の差は単に物流コストの認識度の違いともいえるため安心できるわけではないと留意しておきましょう。

日本の企業の物流コストはどのくらい?

売上高物流コスト比率は代表的な物流指標として知られているものの、その会社の物流効率を示しているわけではないのです。

まず物流コストに大きな影響を与える体積、重さなどが売上高物流コスト比率に反映されていないこと、財務諸表上の物流費は必ずしも実態をあらわした数値であるといえないことがその理由です。

もし日本が正しく物流コストを把握した場合、一般的な企業の場合では約8%程度になると考えられまるでしょう。この数値は売上高営業利益率より大きいか、比較してみてください。

物流コストが営業利益より大きい場合には、何に費用がかかっているか分析し、物流コストを抑えることができるような活動につなげていきましょう。