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デフレ不況でコストダウンを必要とする物流企業ができる対策とは?

2020.09.15
分類:経営

デフレ不況の影響により、コストダウンへの要求が高まる中で、改めて注目を集めている物流コストを削減させるスキームとして考えられる方法が共同配送です。

同じ届け先の複数のメーカーなどが、お互いに荷物を持ちよって特定のエリアに共同で配送業務を行い、トラック積載効率を高めながらコスト削減を可能とする取り組みのことです。

共同配送によるコストダウンの実現

同業他社と競争する部分は、商品開発や販売などの本業部分だけとし、物流業務はお互いが協力して共同化させることで、それぞれコストダウンさせ効率化を実現させる企業も少なくありません。

通常なら自社が預かった荷物はすべて自分たちで配送するものですが、運ぶ荷物が少ないときやエリアでも、配送を行わなければならなくなります。

共同配送は、このような費用や人手を無駄にしないための方法といえ、デフレ不況の影響で強化させたいコストダウンのスキームとしても活用できます。

 

共同配送のメリット

共同配送によりどのようなメリットを得ることができるかというと、無駄な配送を減少させることができるため配送が効率化されることです。

まるでタクシーの相乗りのように、目的地が同じ複数の人が一緒に1台のタクシーに乗れば、費用を2分の1に抑えることが可能になるのと同じ考え方といえます。

効率化で得をするのは物流企業だけではなく、荷物の受取人も複数の物流企業から届けられた荷物をまとめて受け取ることができる点にメリットがあります。

少ないトラックで配送できれば、人手だけでなくトラックの燃料も抑えることができ、配送コストを抑えると同時にCO2の排出量も削減できます。

 

ただしデメリットにも注意が必要

ただし共同配送はメリットばかりではなく、自社のみで行う配送なら急な事態にも対応できるのに対し、共同配送ではそのような臨機応変な対応はできません。

複数の物流企業が共同によって荷物を運ぶことになるので、複数のうちの一部の物流企業だけの都合により予定を変更することはできないのです。

また、共同で荷物を運ぶため、荷物は完全に自社の管理下にあるとはいえず、追跡がしにくくなる点もデメリットといえます。

本来であれば物流管理システムなど使い、荷物をトラッキングできるはずなのに、共同配送の場合にはシステムを共有するか改修することが必要になるので困難です。これらの点を踏まえて、共同配送を利用するべきか検討していきましょう。