物流現場の状況を改善させたいと考えたとき、そもそも何を見直せばよいのか、改善させる余地があるのかどこなのか把握することができなければ対策を講じることはできません。
そこで、モノの入荷から出荷されるまでの物流現場における工程において、誰がいつ、どこでどのような作業を行ったのか作業における実績を収集してフィードバックすることが必要となります。
この一連の流れを工程管理といいますが、物流現場の状況改善に欠かせない業務の1つです。
出荷や物品の取り違えや間違い、発送の遅れ、伝票の記載ミス、作業事故やシステムエラーなど、物流における品質や精度を低下させてしまうトラブルはどの物流現場でも発生してしまうものです。
ただ、このトラブル発生における確率を低下させることで、物流の品質や精度を高めることができるでしょう。
そのためには、モノを入荷して出荷させるまでの作業において、どのようなトラブルがどのタイミングで起きるのか究明することが求められます。
ミスの内容がシステム上のトラブルなのか、それとも人的なミスなのか、動線やレイアウトの設計などの不備など作業環境に問題があるのかなど、考えられる原因を絞り込んでいくことが必要です。
発生したミスから物流現場で抱えている課題を把握することができれば、どのような対策を講じればよいのかその方向性を見出すことができます。
物流における工程を改善させるためには、対策を講じることはもちろんのこと、その対策を実践したときにどのくらいの効果があったのか分析することも必要です。
対策を講じれば終わりではなく、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」という4つの要素を実行していくPDCAサイクルでの工程管理を行いましょう。
物流現場での実績におけるデータを収集するには、それぞれの現場担当者に作業と終了の時間を所定の用紙に記入してもらい、トラブルや問題が起きた状況などを日報などでまとめてもらうといった方法も考えられます。
ただ、手書きで作成された内容をパソコンで入力しなければならないという手間が発生することになり、記入漏れや誤記などのミスも考えられるため、問題の究明に繋がらない可能性も出てきます。
このような場合、ピッキング、検品、商品照合といった作業の開始から終了までの時刻を記録できるハンディターミナルなどを用いるといったことも検討するとよいでしょう。
実績におけるデータを自動的に記録できるので、経過なども知る上で有効です。
収集したデータは工程ごとの進捗状況としてグラフ化するなど、どの現場でどのような作業においてミスが発生しているのか把握しやすくなります。