近年、様々な業界でオートメーション化が進んでいますが、運送業界も他人事ではありません。
荷物をロボットが仕分け、荷物を積んだ車両が無人で走り、届け先への連絡は自動でメールが送られるなど、人の手での操作を必要とせず機械などが自動で仕事を行うオートメーション。
大変便利で人手不足が深刻な運送業界にとっては救いの手と感じるでしょうが、その反面で雇用を失うことを進めてしまうのではないかと不安も出てきます。
人手がなくてもミスをなくし業務を着実に行うことができれば、企業にとっては儲けにつながるとも考えられますが、本当にそうなのでしょうか。
人手不足が深刻な問題となっており、募集をかけても人が集まらないのが運送業界の抱える課題です。
そこで、国はトラックを自動運転化、ドローンを活用など、人の手がなくても業務を可能とする取り組みを加速させています。
すでに完全無人の輸送や配送サービスなどが試験的に行われ、2030年には実現させることを目的として進んでいるようです。
オートメーションの仕組みを導入するためには膨大なコストがかかります。設備投資にかかる負担は大きいですが、今後人手不足が解消される見込みが低いと考えた場合、長期的にみればコストを下げ人手に代わる手段を採用することになります。
荷物の積み下ろしや運送をロボットが担当することで、ラストマイルのコスト低減も実現できるでしょう。
そしていち早くオートメーション技術を活用しているのが、大手物流のアマゾンです。
アマゾンの物流センターには様々な機械や設備が導入されていますが、ロボットを多く導入することによって事業は爆発的に成長し、より多くの雇用を生み出すこともできています。
オートメーション化で人の手が不要になるわけではないことを、アマゾンが証明したとも考えられます。
オートメーションにより便利なロボットや機械、設備を導入したとしても、機械では判断できない部分も出てきます。
仮にオートメーションで配送までは行けたとしても、最終的に顧客の手に渡すのは人の手が必要です。
荷物の仕分けや選別、パッケージ詰めなども人力での作業が必要となります。
オートメーションはあくまでも業務を効率化させることが目的であり、人の手や雇用を奪うことではなく、事業が成長するための補助と考えるべきでしょう。