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運送会社が取締役を変更するときに必要な手続きとは

2021.10.08
分類:経営

運送会社でも、取締役や監査役など役員を変更することはあるでしょうが、その際には変更の原因による登記を行うことが必要です。

登記変更には、新任・辞任・重任・退任などがありますが、取締役や監査役に変更があった日から2週間以内に役員変更の登記手続を行いましょう。

取締役など役員変更は登記手続が必要

取締役など役員変更の登記手続は、管轄の法務局(登記所)に登記申請書と必要書類を添付し提出します。

もし内容に不備があれば修正や場合によっては取り下げが必要となるため、登記申請においては専門家である司法書士に相談・依頼したほうが安心です。

 

役員の退任と辞任は何が違うのか

会社の役員が変更する原因には、新任・辞任・重任・退任など種類があります。

辞任も退任も同じではないか?と感じてしまうでしょうが、たとえば辞任は役員が任期中に自らの意思で辞めることであるのに対し、退任は任期満了により役員ではなくなることです。

役員変更の種類とそれぞれの内容は以下のとおりとなっています。

・新任…社員から取締役へ昇格したときや、社外取締役・監査役就任など新たな役員が増えたとき

・辞任…役員が任期中に何らかの理由で自らの意思で辞やめるとき

・重任…役員の任期満了後、引き続き役員に就任するとき

・退任…役員の任期満了後、更新せずに辞めるとき

なお、役員の任期は会社ごとに定款に規定があり、任期更新の際には重任の登記が必要となります。

 

役員変更が発生するタイミング

役員変更が発生するのは、

・新たな役員が就任したとき

・現在の役員が辞任・解任するとき

・死亡などで役員でなくなるとき

・定款による役員の任期が満了するとき

などのタイミングです。

任期到来の際には、株主総会により役員を選任し、変更登記を行う必要があります。

前回と役員の顔ぶれに変更はない場合でも、任期が満了した時点で改めて役員を選びなおす手続が必要となります。

役員がずっと同じメンバーの場合、任期がすでに経過していることに気がつかず、手続自体うっかり忘れてしまうこともあるため注意してください。

 

放置していると後々面倒なことに

何の変更登記もなく12年以上経過した株式会社は、事業を廃止している実体のない架空会社とみなされ、法務局登記官の職権でみなし解散の登記が行われる可能性があります。

本当は事業を継続しているのにみなし解散の登記がされてしまえば、会社継続登記が必要となり費用や手間、時間が余計にかかるので注意しましょう。

また、みなし解散から3年を経過すると会社継続登記もできず、清算しなければならなくなってしまうためより注意が必要です。