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運送業は個人と法人、どちらで始めた方が得?

2019.11.25
分類:経営

個人事業主が運送業を始めたいと考えたとき、白ナンバートラックで行うことはできるのでしょうか。

運送業とは、事業用の車両を使って依頼された貨物を運び、対価として運賃を受け取ることを業とすることです。

しかし貨物をもらって運賃を受け取るなら運送業許可である「一般貨物自動車運送事業許可」を取得しなければならないとされています。

運送業許可を申請するときは個人と法人どちらがよいか

運送業許可を取得する場合、個人運送業として許可を申請するのか、それとも法人成りとして許可を申請するのか、どちらを選ぶべきか迷ってしまうかもしれません。

もし迷ったら、次の項目を確認した上で決めるようにしてください。

運送業許可の申請手続きはどちらが面倒?

個人と法人、どちらで運送業許可を申請する場合でも、申請の内容や方法はほとんど変わりません。

違う部分を挙げるとすれば、法人で申請する場合には新たに法人を立ち上げ、設立登記が完了してから申請しなければ、一旦個人として受け付けされてしまうので、受付後に提出しなければならない書類が増えてしまいます。

もし法人成りで申請するのなら、必ず法人の設立登記が完了してから行うようにしましょう。

法令試験の受験者が個人と法人で違う

運送業許可の申請を受け付けてもらったら、申請者は法令試験を受けることが必要になります。この法令試験は、申請者が運送業を営む上で輸送の安全などに関する知識を保有しているのか確認するためのものです。

ただし個人として申請するのか、それとも法人なのかによって、受験する方が異なります。

個人の場合は個人事業主本人が受験することになりますが、法人の場合は常勤役員のうちのいずれか1人が受験すればよいので、必ず代表者が受験しなければならないわけではない点がメリットといえるでしょう。

もし社長など代表者が試験は苦手という場合は、他の役員に受験してもらうこともできるということです。

 

個人で運送業を始めることのメリットとデメリット

個人と法人、それぞれどちらで運送業許可を取得した上で開業するのか考えた場合、個人で始めることを選ぶのなら次のようなメリットとデメリットがあると理解しておきましょう。

メリットとしては、法人を設立する上でかかる登記などの費用はかかりません。

デメリットとなるのは、法人よりも社会的な信用が低いこと、一旦は個人として運送業を始め、その後、法人化したいときには運送業許可の譲渡・譲受認可が必要になること、そして法令試験を再び受験しなければならないことです。

これらのことを踏まえ、どちらで運送業を開始するのか改めて判断することをおすすめします。